フォーミュラE、丸の内デモ走行を見て分かったこと

2016.11.23

レース好きの間でも好みがわかれるモータースポーツといえばフォーミュラEだろう。そのレーシングカーが東京都内でデモ走行すると聞き、ひと目見ておこうと取材に向かった。

「フォーミュラEは静かではありません、ウルサイですよ」

「フォーミュラEは静かだと思っていませんか。実際はウルサイですよ」 これは、デモラン前に開催されたトークショーで片山右京が明かした言葉である。

今回丸の内のショッピングストリートを走るのは、フォーミュラEに参戦中の最新マシン、アプト・シェフラ―FE02である。

全長5000mm、全幅1800mm、全高1250mmのFE02は、ダラーラ製のカーボン/アルミハニカム・シャシーに、アプト・シェフラ―MGU01+とウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング製バッテリーを搭載する。最高出力は予選時で270ps、レース時で231ps。3速トランスミッションを介して、車重880kg以上(ドライバーを含める)と規定されたマシンを加速する。タイヤは市販車と同じように溝が入ったミシュランの18インチだ。このレーシングスペック・エレクトリック・パワートレインが発する近未来的なサウンドが、テレビ中継でイメージするよりはるかに大きいのだという。

フォーミュラE、丸の内をは・し・る

13時08分。ルーカス・ディ・グラッシ選手が乗り込んだマシンが、丸の内仲通りを加速しはじめる。しかし、1秒ほど盛大にホイールスピンしたところでドライバーがやむなくペダルを戻す。そしてしばらく惰性で前進を続け、また思い出したようにスロットルを開く。スロットルオンと惰性走行を交互に行う形でデモランが進んでいく。

今回は会場の制約もありこうした徐行デモ走行になったのだが、そのなかでもスロットルオンでEV特有のキーンという音が発するのと同時に最大加速に移るというレスポンスは、ほかのカテゴリでは目にしたことのない鋭さだった。ディ・グラッシ選手が徐行規制を守るために何度かブレーキングしているが、その度に丸の内の石畳でミシュランが滑っている。それほどフォーミュラEのタイヤはレーシングカーとしては細いのだ。このマシンが世界中の都市で公道レースをするというのだから、ドライバーには繊細な技術が求められるのだろう。

そして話題になっていたパワートレインが発する音ですが、本当はウルサイ、というよりも “相当やかましい” というのが分かりました。


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