フェラーリJ50開発秘話 首脳陣インタビュー

2016.12.14

Q:デザインセンターでは現在何人ほど働いていますか?

フラビオ・マンゾーニ:2010年に私が移った時は4〜5人でしたが、現在は約70名ほどが在籍してあらゆるデザインに対応する体制で活動中です。

ピニンファリーナとの関係は?

Q:デザインセンターができたあともピニンファリーナなど外部のデザイン・シンクタンクとの関係はありますか?

フラビオ・マンゾーニ:現在も外部との協力はありますが、主要な部分は内部で行っています。近年の大型プロジェクトはエンジニアリングの部分も関わって複雑になっていますので、デザインセンターのスタッフはテクニカル関連部門と一体化して連携して進めています。

ピニンファリーナとはワンオフ・モデルやセルジオのような特別なモデルのプロジェクトを依頼しています。このほかのカロッツェリアやコーチビルダーとの協力もあります。

Q:デザインの基本部分を外部のデザイナーに依頼することは、これからは無くなるということでしょうか?

フラビオ・マンゾーニ:仕事の進め方が以前とは大きく変わってしまいました。かつてはエンジニアが基本部分を作り、外部にカバー(ボディ)を作ってもらうという流れでした。しかし現在はボディが技術面と一体化しているので、分けることができないのです。そのためデザイナーとエンジニアの連携が大切になっています。

Q:フェラーリ社はこのあと年産9000台まで拡大するといわれていますが、新たなレンジとなるモデルを追加する可能性はありますか? 希少性の維持についてはどのようにお考えですか。

エンリコ・ガリエラ:今年の総生産台数が約8000台に達する予定です。現在のラインナップで対応できますので特に予定はありません。エクスクルーシビティ性は単に数だけでは語れないと思います。現在も需要が生産台数を上回わるという好ましい状況になっています。創業以来のマイナス1台路線は、これからも堅持します。

年9000台体制に向けた新たなモデルはありません。ちなみに2016年はGTCルッソ、GTCルッソ・ターボ、デイトナで発表した488チャレンジ、そしてJ50を発表しています。このほか2007年に登場する既存タイプと置き換えるモデルもあり、デザインセンターには充分な仕事がありました。

Q:来年は創立70周年を迎えますが、70周年を記念した特別なモデルの予定はありますか?

エンリコ・ガリエラ:70周年の記念モデルは、先頃発表しましたラ フェラーリ・アペルタと歴史的なモチーフを取り入れた70スタイル・アイコン限定モデルがそうです。70スタイル・アイコンは、現行の5モデルを基に1947年から2017年までの各時代を象徴する70のカラースキームで限定350台が作られます。残念ながら現在はすべて完売となっています。

text & photo: Kazuhide Ueno(上野和秀)

 


▶ 国内ニュース / 限定10台のフェラーリJ50発表 跳ね馬の日本進出50周年
▶ 国内ニュース / “日本はアジアの手本” フェラーリ日本導入50周年式典を開催

おすすめ記事

 
最新国内ニュース

自動車ニュースの人気画像