1950年代のマイクロバスが、8人乗りEVとして復活

公開 : 2017.01.10 04:00  更新 : 2017.12.14 12:31

フォルクスワーゲンが、1950年代のマイクロバスを4輪駆動、オール・エレクトリックのMPVとして復活させた。

デトロイトショーに登場したフォルクスワーゲンID Buzzコンセプトは、レトロな外観ながら最新の4輪駆動エレクトリック・ドライブを採用したMPVで、2022年の発売を予定している。

ID Buzzの起源は、1950年に発表されたマイクロバスとなるが、今回のコンセプトはEV用のアーキテクチャを採用し、キャビンを最大化している。これにより、乗員は最大8人となる実用性の高さも注目に値する。

毎年100万台のEV販売を目標

このモデルは、VWの乗用車ブランドを率いるヘルベルト・ディースのエレクトリックカー戦略によるものだ。

EVモデルは今後5車種が投入される予定で、昨年のパリ・モーターショーで発表された4座のIDハッチバックに続く2番目のクルマがID Buzzということになる。

ディースは「2020年に、オール・コネクテッド、オール・エレクトリックの新世代EVで攻勢をかけ、2025年までに毎年100万台のエレクトリックカーを販売したい」と話している。

約600kmのEV走行が可能

ID Buzzは、モーターをノーズとリア・アクスルに合計2基搭載し、4WD走行を実現する。各モーターは203psを発揮するが、システム統合では374psというスペックだ。理論的には0-100kmh加速は5.0秒になるが、バッテリー消費を抑制するために最高速度は161km/hに抑えている。

また、111kWhのリチウムイオン・バッテリーはフロアに搭載。ゼロエミッションの航続可能距離は598kmに達する。

2025年には全自動運転モードも

さらに、2025年に導入予定のID パイロット・モードでは、「危険が生じない環境において」ドライバーがステアリングホイールを格納し、運転席を180度旋回させることができる。

このモードでは、新開発のステアリング・コラムはステアリング・ギアから分離され、レーザースキャナー、超音波センサー、レーダーセンサー、各種カメラ、それにクラウドから得る交通情報により完全自動運転が可能となる。

ID Buzzがバッテリーを80%充電するのに必要な時間は30分で、計算ではこれだけでも480kmの走行ができることになる。

ボディサイズは全長が4941mm、全幅が1976mm、全高が1963mm。車内は複数のシートレイアウトに対応し、断面イメージを見て分かるとおり、フロントとリアにラゲッジ・コンパートメントを装備する。


▶ 2017 デトロイト・モーターショー

関連テーマ

おすすめ記事

 

自動運転の人気画像