鍛造ホイールでトップを目指すBBS

2017.01.17

もともとはドイツのブランドであったBBS。その鍛造ホイールとしてのクオリティの高さは既に多くの人の知るところとなっている。しかし、その鍛造ホイールの製作は、1983年から富山県高岡市で行っていることはあまり知られていないかもしれない。そして、2011年にはドイツ本国のBBSが事実上倒産してからは、BBSは日本のブランドとなっているのだ。日本BBSとなってから今年で4年目を迎えたが、BBSの現在と今後の戦略などを東京AUTOSALONの会場で、野坂訓正社長にお伺いした。

AUTOCAR:BBSといえば高いクオリティを持つ高級なホイールとしてのイメージがあります。現在はどんなブランディングをお考えなのですか。

野坂訓正社長(以下野坂社長):昔は市販の鍛造ホイールといえばBBSしかなかったわけで、それ以来日本では鍛造ホイール・イコールBBSというのは根付いていると思います。また、高級なブランドとしてもそのポジションが確立されています。

一方、海外ではBBSジャパンというとまだドイツの子会社みたいに言われることもあります(笑)。

今は、東南アジアや中国に力を入れていきたいと考えており、それなりにブランドが確立されたかなとも思います。また、ここ数年は中国でもクルマをチューニングしたりドレスアップしたりという市場が拡大されているとこもあり、そこに攻め込みたいと考えています。ちょっと中国市場への参入が遅れたかなという感じもありますが、これから挽回していきたいですね。

一方、ヨーロッパやアメリカについても重要な市場と考えていますが、実際のところ300名規模の会社ですので、そこにかけるパワーがなかったのも事実です。今後は、東南アジア、中国、ヨーロッパ、アメリカといった世界を見据えた施策というか戦略を立てていななければと思います。特に、各市場において好まれるホイールというのが微妙に違うわけで、そのへんのリサーチも強化していきたいと考えてます。どちらにしろ、鍛造イコールBBSということを前面に押し出していきたいと思ってます。

AUTOCAR:国内市場についてはどうお考えですか

野坂社長レクサスマツダロードスター、STIなどにOEM供給させていただいております。売り上げ的にはOEMでの売り上げのほうが、アフターマーケットでの売り上げよりも遥かに大きいのが事実です。幸いなことに、レクサス、マツダ、STIなどには継続して採用してもらっていますが、OEMというのはモデルチェンジをした時に不採用となると、その分の売り上げが一挙に減ってしまうという怖さもあります。特にわれわれのような鍛造ホイールから、メーカーのほうで鋳造でもいいんじゃないかということになると、なかなかそれを挽回するのは難しい。正直、鍛造と鋳造ではコストが違いますから。

そこで重要になるのが、アフターマーケットで確固とした人気があるという事実です。やはり信頼される高いクオリティのブランドだということが一般に認知されていることが、メーカーにOEM供給するための重要なキーになります。

したがって、アフターマーケットも非常に重要となります。国内で言えば ショップのみなさんにまずはBBSの良さを理解してもらうことが重要と考えています。鋳造と鍛造の違いからはじめて、BBSの特徴を知っていただくという勉強会みたいなことをここ数年続けさせていただいています。ありがたいことに、何社さんかはもちろん他社のホイールも扱っていますが、BBSをメインに押してもらっているところもあるようになりました。また、BBS JAPAN TANZO CLUBといってBBSのユーザーさんを対象に、プレゼントやポイント交換をはじめ、交流会のような各種イベントも開催しています。

また、今回この東京AUTOSALONの会場でもBBSがホイールをOEM供給するベントレーベンテイガを展示させてもらいましたが、高級SUV市場にも参入していきたいと考えています。

AUTOCAR:今後、設備の拡大や他所への工場建設などといったことは考えていらっしゃいますか。

野坂社長:プレス機を現在6基持っていますが、1番大きい9000トンのプレス機だと、1基10億円します。その他周辺機器などを考えると、すぐには新工場というのは考えていません。現在の生産は月産で2万から2.5万本。最大3万本の生産能力があるので、まずはそこまで販売を引き上げたいと考えています。

超超ジュラルミン・ホイール、FR-D

東京AUTOSALONの会場で、ひと際目を引いたのが、超超ジュラルミン鍛造ホイールのFR-Dだ。繊細なスポークを持つ大胆なデザインが魅力。また、参考出品としてプリシジョン・ポリッシュ加工されたホイールも展示されていた。

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