ブガッティ・シロン初試乗 1500ps、3億4,786万円の数字に媚びず、冷静に

公開 : 2017.03.27 11:50  更新 : 2017.05.29 19:00

ターボはヴェイロンのそれより50%ほど拡大され、カーボン・インテーク・マニフォールドとチタン・コンロッドの強度も5割増ながら重量はそのままに抑えた。カーボン・セラミック・ブレーキ・ディスクは直径420mm、ステアリング・ホイールはアルミの塊から作り出される。サスペンションのブッシュは3種類のゴムを組み合わせ、前後/左右/上下各方向で異なるレスポンスを生む。

フラットなCFRPのアンダーパネルにはNACAダクトが穿たれ、前輪付近にはストレーキ、リアには大型のディフューザーが備わる。ハニカムコア・コンポジットの構造部は薄く、入念な仕上げが施され、ボディは色を乗せずカーボン材の精緻な織り目が見える仕様も選べる。

カーボン製となったリアのサブ・フレームとエンジン・キャリアは、エンジンを設置した後、これももちろんカーボン製のパッセンジャー・セルに、10本のチタン製ボルトで固定される。ねじれ剛性は、レーシングカー並みの50000Nm/degだ。

加速タイムは0-100km/hが2.5秒、0-200km/hが6.5秒、0-300km/hが13.6秒。そして、なんといっても最高速度は、リミッター作動で420km/hである。

最後に価格だが、これを書いている時点でのレートで税抜き約£2,000,000(2億7,630万円)、コミコミ£2,518,000(3億4,786万円)という、気の遠くなるような金額だ。

しかし、500台のみの生産台数を考えると、あながち高額だとは言えないのも事実である。デュルハイマーはこのプロジェクトで利益を出せるというが、デザインや技術開発、各国の法規やフォルクスワーゲン・グループの基準に適合するためのコストを考えれば、価格と台数を掛け合わせて導かれる£10億(1,381億円)もぼろ儲けは生まないだろう。

暑い季節に室内を涼しく保つ、また寒い季節に窓の曇りを防ぐといった、当たり前のことをクリアしなければならず、その当たり前のことにも多額のコストはかかるのだから。

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