VWポロの「弟」 セアト・イビーザは、やはりかっこいい! 1.0ℓガソリン・ユニットの実力を試す

公開 : 2017.04.05 18:30  更新 : 2017.05.29 18:43

グループ内のヒエラルキーを感じるところ

兄貴分のポロと違って、目に付く多くの部分は硬いプラスティックが占めている。フォルクスワーゲン内のヒエラルキーを感じる瞬間だ。

ダッシュボード上面やドア・トリム上部などは、ソフト・タッチにして欲しい場所ではあるが、それは叶わなかった。

しかし、マットなテクスチャーは生産コストがかかっていそうな印象で、高級素材を用いなくとも、工夫次第でプレミアム感は演出できることを暗に主張している。

走りの印象は?

MQBプラットフォームは、ねじり剛性を先代より30%向上。そのため剛性感は高く、振動音が抑えられ、一体感が感じられる。

また、静粛性にも優れるうえ、ピン・ポイントを狙える正確なハンドリングとフラットなコーナリングも実現している。

グリップは良好で、速度域の高い峠道でも、フロント・タイヤはアンダーステアへの抵抗を見せる。減衰量は的確で、ボディの動きは常に穏やかだ。

6速MTはワイド・レシオだが、20.5kg-mのトルクを利して苦もなく加速する。ハイ・ギアードの6速ゆえに、2500rpmで120km/hに到達するが、高速道路の上り勾配ではシフト・ダウンが必要になる。

シフト・レバーの動きはなめらか。低回転域ではレスポンスが遅れるものの、一旦、ターボチャージャーの回転速度が上がったエンジンは熱心かつスムーズに回り、麗しいサウンドを味わわせてくれる。

■「買い」か?

見た目がクールなうえ安価

セアトの文法通り、フォルクスワーゲン・グループ基準のクオリティが、より低価格で手に入る。英国での販売価格は£13,130(181万円)からで、今回の試乗車であるFRグレード(下から3番目)の1.0 TSI 115仕様は£16,630(229万円)。

最も高価なのはエクセレンスだが、115psユニットの設定はなく、95ps仕様が£17,310(238万円)となる。受注開始は5月で、7月にデリバリーが始まる予定だ。

ふつうのコンパクトなハッチバックが好みだというなら、新型イビーザはかなりいい選択肢だ。走りが楽しく、質感が高く、アイテムやギミックも満載している。なにより、ちょっと得がたい室内の広さは見逃せないところだ。


セアト・イビーザ1.0 TSI

価格 £16,130(229万円)
最高速度 195km/h
0-100km/h加速 9.3秒
燃費 21.3km/ℓ
CO2排出量 108g/km
乾燥重量 1064kg
エンジン 直列3気筒999ccターボ・ガソリン
最高出力 115ps/5000-5500rpm
最大トルク 20.5kg-m/2000-3500rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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