スポーツカー・ワールドカップ 決勝 マクラーレン(イングランド)vs ポルシェ(ドイツ)

公開 : 2017.06.25 11:50  更新 : 2017.06.25 11:52

540C、軽視されがちだが「美味しい」モデル

マクラーレンに並外れたデバイスであることを求めるひとびとからは、540Cは軽視されがちだ。登場した当時、マクラーレンは先行き不透明で、今ほどの地位を確立していなかった。

これは911ターボに対抗すべく設計されたモデルで、上位モデルと同等のメカニズムを用いながら、購入価格は570Sを£20,000(283万円)ほど下回る。

造り手にしてみれば利幅の小さいモデルで、それゆえに高性能版やスパイダーなどのバリエーションは用意されなかった。今後も登場する見込みは薄い。

要は、540Cはバーゲン価格のモデルなのだ。上位の570Sとの最大の違いは30ps低い馬力だが、それを体感できるのはトップエンドまで回し切った時くらいだ。それとて、2台を並べて乗り比べる機会でもなければ、その差をハッキリと指摘することはできないだろう。


もちろん、われわれはまさにそういう試乗を行ったが、30psの差はなかなか興味深いものがある。500ps台半ばのクルマであっても、その違いは間違いなく感じ取れた。

ただし、しょっちゅうレッドゾーンまで回すような乗り方をするのでなければ、つまり、現実的な走りをしている限り、540Cで不満はないという結論に行き着いたのもまた事実だ。

そして、911GTSに対しては90ps近いアドバンテージがあり、カテゴリー違いのパフォーマンスをみせる。たとえば0-100km/h加速は、MTを積む今回の911GTSでは4.1秒だが、パドルシフト付のPDK仕様なら3.7秒と、540Cの3.5秒に近い数字を謳う。

しかし実際のところは、540Cの方がはるかに速く感じられる。

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