ルーテシアR.S.新型 シャシーカップ試乗 ポロGTI/208GTiに、コスパで王手

公開 : 2017.07.06 00:00  更新 : 2021.03.05 21:35

シフトスピード 0.03秒差を楽しむ

「スポーツ」モードを選択すれば常用回転数は高まり、巡航時以外は「ノーマル」モードより1段2段低いギア選択で、加速反応とエンブレが強化される。また、変速に要する時間は「ノーマル」モードの0.2秒から0.17秒に短縮。たった、0.03秒の差だが、急加速中の「スポーツ」モードでのアップシフトでは突き出されるようなクラッチミートになる。MTを乗り慣れているドライバーならすぐに理解できるが、高回転での素早い変速でエンジンの回転落ちが間に合わずに起きる現象だ。それがメリットになるとは思わないが、「あるよね~♪」と心の中でニヤリとしてしまう。


パワートレインがニヤリと思わせるならフットワークも同様である。バネもダンパーも硬い。接地状況が伝わってくる乗り心地。ただし、ストローク使いは短く引き締められていても入りと収まりは滑らかだ。硬さが上手に面取りされている。

もうひとつ見逃せないのは「おつり」の少なさ。コーナリング中の路面うねりや段差でも跳ね上がって接地抜けしたり、4輪の接地バランスを大きく崩してラインが乱れたりしない。細かな上下動ひとつひとつがうまく収まる。したがってストローク過程の接地感が安定し、負荷の大小でコーナリング特性に大きな変化がない。大横Gのコーナリングではバンプストップラバーに代わってセカンダリーダンパーを用いたHCCが効果的に作用していると思われるが、微小ストロークからフルストロークまで安定した特性を得るためのHCCと理解できる。


パワーフィールや乗り心地など全般的な乗り味は間違いなくハードなスポーツモデルなのだが、ケレン味や粗野な部分がない。タイトコーナーや高速コーナーでも、あるいは「程々」でも「本気」でも良質なスポーツ性能を発揮してくれる。生活を共にできる大人味のホットハッチとでも言いたくなる走りである。
 

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