800ps超えは当たり前に? 激化するパワー競争 裏で芽生える「危惧」

公開 : 2017.07.08 06:10

バイクもパワーが足りない?

シビック・タイプRの発表会場には、ホンダが新型スーパーバイクも持ち込んでいた。そのCBR1000RRファイアーブレードを眺め、取り付けられたセンサー類は何のためのものだろうかと思っていると、ホンダのスタッフが説明してくれた。

ここ最近、ハイパフォーマンスな二輪のベンチマークは、こうした1.0ℓ級のスーパーバイクだ。四輪の世界でいえば、これは488GTBや720Sのような存在である。

現在、スーパーバイクは200ps級に達するだろうと見られているが、現行ファイアーブレードは192psだ。ホンダのスタッフに、これでは物足りないのではないかと尋ねた。

反応は、どうやらそうらしいものだった。個人的にその方面には全く明るくないのだが、この途轍もない領域に達したジャンルでは、ファイアーブレードは少しばかりパワー不足だと受け止められているようなのだ。

戸惑うばかりだ。

かつてはバイクにも乗ったが、それは15年も前のことで、出力はほんの65psだった。

古い感覚では、フェラーリ812スーパーファストなんてクルマたちは行き過ぎに思える。しかし、現在の基準に照らせば、あながち行き過ぎではないのかもしれない。

あらたな基準に触れた、とやがて思うようになるだろう。皮肉なことに、平気な顔して。

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