最速ワゴン決定戦 BMW 5ツーリング vs アウディRS6アバント 後編

公開 : 2018.01.28 16:40

2008年当時、世界最強の座を争うワゴン2台の対決は、どうやらアウディ優勢の気配。決め手になりそうなのは、エンジントルクとトランスミッションですが、果たしてBMWの逆襲はあるのでしょうか。AUTOCAR JAPAN 2008年5月号よりの再録です。

AUTOCAR JAPAN誌 2008年5月 60号

もくじ

前編
RS6は苦労知らずのパフォーマンスカー
トルク命のロケットワゴン
嘘みたいなスペック、冗談みたいなウエイト
文字通り足枷となるその重さ

後編
ゴキゲンをジャマするトランスミッション
アウディのベストには届かない
毎日のアシにするならRS6がベター
客観的にはターボ四駆 でも、自然吸気FRの誘惑も捨てがたい

ゴキゲンをジャマするトランスミッション

M5に乗り換える。ギアレバーを操作し、停止状態から飛び出す。SMGがギアを次の段へたたきこみ、首の骨がギシッとなる。

で、コトここにいたって僕は気づく。結局のところトルクとトラクションの違いに尽きるよ今回は、ではないぞということに。それだけじゃなく、トランスミッションのデキの違いの問題でもあるかもしれない。
 
M5のギアボックス、デキはよくもなんともない。ていうか、よかったことなんてなかったわけだけど。オートモードだと、ウロウロしまくるしジタバタもする。

かといって手動モードだと、こんどは乗員の背骨の健康に危害を及ぼすリスクをとることなしには速いギアチェンジができなくなる。あとそう、ディファレンシャルの寿命を確実に縮めることにもそれはなる。

M5、ゴキゲンといえばすごくゴキゲンなクルマではある。アウディと違って低回転からでも車重をモノともせずにグイッと出てはくれないけど、でもその代わりにステキなノイズを聞かせてくれる。

5000rpmを超えてからの加速もまたステキ。それに、およそいかなる状況下においてもRS6よりキビキビ動く。

なんだけど、悲しいかないくつもの素晴らしい才能がガチッとひとつにまとまってはいない感じ。でもってそれは、トランスミッションのデキが悪いせい。歴然とそう。

陸上の十種競技選手のようなオールラウンド型だと思われてるクルマにとっては、この問題はすごくデカい。  

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