トヨタ・ランドクルーザー2.8ℓ直4ディーゼル 2018年型を英国試乗

公開 : 2018.02.14 12:20  更新 : 2021.01.28 18:18

内装は実用主義 ただし装備は充実

まあたいていのレストランの内装だって、ボルボと比べられたら分が悪い。このクラスのベストと比べて、ランドクルーザーはテカテカ光る素材や真っ黒なプラスティックがやたらと目立つ。

ただし装備は豊富だ。3ゾーンのエアコンやヒーター・クーラー付きの電動レザーシートも備わるし、トランクには左右跳ね上げ式から床下収納式になった十分なサイズのサードシートがある。

5万3000ポンド(800万円)の最高グレードを選んだらもう大して追加するものはない。そこが6万ポンド(910万円)のディスカバリーや他のライバルとの違いだ。

オフロード走行に関わる数値を挙げてみよう(カッコ内はディスカバリー)。

アプローチ・アングル:31°(29°)
デパーチャー・アングル:26°(27°)
ランプ・ブレークオーバー・アングル:22°(21°)
最低地上高:215mm(284mm)

リアが車軸懸架のランドクルーザーは最低地上高で大差を付けられているように思う。最大渡河水深は700mm(ディスカバリー900mm)だが、両車とも電子制御がメカニズムをよくアシストしてくれるものの、タイヤの限界が先に来る。

クロール・コントロールの制御は特筆ものといえる。速度設定がしやすいのはもとより、停まっていても、デフロックをもってしてもタイヤが空転するような状況でも作動するのだ。デフロックでは対応できないような、各輪順番にパワーの伝達を緩めてグリップを回復させる芸当もできる。

このクルマの実利的な性格は、路上の方がよりわかりやすい。例えばステアリングは軽いだけで、感覚を楽しめるものではない。上位グレードのダンパーは減衰力可変となり、揺れを抑えるため対角線上が油圧経路で結ばれるが、それでもモノコックのドイツ車勢ほど洗練された感じはない。

とはいえ驚くことも、恥じることもない。立派なサイズのシート、優れた視界、よく出来たインフォテインメント機能。中で何日も過ごせる洗練性と快適性はこれで十分得られるのだ。山も登る車重2430kgの4駆にあとは何が必要だろう?

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