ポルシェ・クラシック、3Dプリンターから9種のパーツ供給 追加20種の検討も

公開 : 2018.02.14 16:20  更新 : 2018.02.14 16:27

ポルシェ・クラシックは、3Dプリンターをもちいてパーツ供給することで、「完璧な忠実性」という要件を満たすとともに、「入手不可」という避けがたき問題を解決したといいます。このあと20種類まで増やす予定とのことです。

もくじ

3Dプリンターでクラシックパーツを
959のリリースレバーができるまで
他8つのパーツを製造中 さらに20の製造検討

3Dプリンターでクラシックパーツを

ポルシェAGにおけるクラシックモデル専門の部門である「ポルシェ・クラシック」は、パーツ供給問題への解決策として3Dプリンターを活用する。

「希少なクラシックカーの愛好家にとって、『スペアパーツ入手不可』という言葉は即座に問題を引き起こし、最悪の場合、クルマが動かなくなってしまう可能性すらあります。解決策となったのは、少量のみ必要とされる非常に希少なパーツについては、3Dプリンターを使って製造するという方法です。3Dプリンターという製法によって生産されるパーツは、技術的にも外観的にも、全てオリジナルの仕様に対する『完璧な忠実性』という要件を満たしています」とポルシェは説明する。

現在、ポルシェ・クラシックでは約5万2000点のパーツを揃えており、何らかのスペアパーツの在庫が少なくなったり在庫切れになると、オリジナルのツールを使って複製される。需要が多いパーツに関しては、新しいツールが必要になる場合もあるという。

しかし、非常に限られた数のみ必要とされるパーツの供給を確保することは、ポルシェ・クラシックのエキスパートにとってさえ大きな課題だ。新しいツールを作成したにも関わらずパーツの生産が少量であることは、非常に非効率であるからであることは言うまでもない。

特定のコンポーネントを製造するプロジェクトに乗り出す場合、ポルシェ・クラシックでは常に事前に幅広い製造方法を検討する。

追加製造プロセスの品質は向上しつづけ、一般的にコストも低下しているため、少量生産の場合はこの製造形態が経済的な代替案となる。

たとえば、ポルシェ959のクラッチのリリースレバーは現在入手不可能。このねずみ鋳鉄製のコンポーネントは、非常に高い品質要件を満たす必要があるが、959はわずか292台しか生産されなかったため需要はほんのわずか。検討に値する唯一の製造方法として考えられたのは、レーザー溶融法だった。

作業を具体的に追っていこう。

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