初試乗 アストン マーティン・ヴァンテージ ライバルは911

公開 : 2018.04.17 10:10

公道でも輝くモデル

すべてが素晴らしい。しかし、これはロードカーなのだ。その乗り心地は、特にスポーツモードでは安定して滑らかなもので、スポーツ+であってもほとんどの場面でそれは変わらない。

エンジンとトランスミッションに鞭を入れれば、それなりの荒々しさを見せるが、それでも適切なモードを選択している限りは、十分なレスポンスで唸り声を上げつつも、公道にも相応しい仕上がりといえる。

さらに、ステアリングコラムに設置されたことで、常にハンドル操作に対して位置が変わらない大型のパドルは非常に扱いやすく、パドルを引けばマニュアルモードに切り替わり、アップシフト側を長く引くことでオートマティックモードに戻すことができる。特にこのZF製8速ギアボックスのようにスムースなトランスミッションと組み合わせるには最高のシフトである。

(サーキットでは時おりダウンシフトを嫌がるようなことがあるが、これはメルセデス流。ギアボックスではなくエンジンを保護するやり方だ。)

ではステアリングはどうだろう? サーキットではフィールに溢れるが、コーナリングフォースが足りなければ、路面状態が伝わりにくくなり、この点ではフロント荷重が少ないために、アシストがそれほど必要ない911の方がより路面伝達能力に優れるものの、それでもヴァンテージの素晴らしさに変わりはない。

スムースで、速く、ステアリングセンターのフィールも期待どおりのものだ。車幅が広く、キャビンからそのボディワークを確認することはできないにもかかわらず、バランスと落ち着きが失われることはない。

まるでボディが小さくなったかと錯覚するほど、安定して、反応に優れ、思い通りにコントロールすることができる。つまり、感覚の面でも、ヴァンテージはその全てでドライバーを楽しませてくれるのだ。

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