ブガッティ・シロンができるまで 「アトリエ」での手作業 組み立てと試験を取材

公開 : 2018.06.03 19:10  更新 : 2018.06.03 21:12

ダイナモでのテストも

シロンはこのアトリエで12部門を移動する。第一工程はエンジンとギアボックスをボルト留めしてひとつのユニットに組み上げ、フロントのサブフレームを組み立てることだ。次いで、14本のチタン製ボルトを使ってモノコックとクルマのリア部分を合体させる。シャシーを組み上げるのにおよそ1週間かかる。次の部門に移されると、オイル、クーラント、ブレーキフルードが注入され、ガソリンが初めて注がれる。

その後、シロンはダイナモメーターに載せられ、床にボルト留めされて200km/hまで速度を上げる。製造部門のボスであるクリストフ・ピョションは本誌に対して、シロンの巨大な馬力とトルクを受け止めることができる新しいダイナモメーターを発注しなければならないと語った。

ヴェイロンの試験に使った装置では間に合わないのだ。クルマの試験の最中に発生する余剰電力は、モルスハイムの変電所に直接送られる。あなたがブラッセリーでスマホを充電する電気は、ブガッティの四輪からきているのかもしれない。

カーボンファイバー製ボディパネルの取りつけと調整にはおよそ3日かかる。パネルはあらかじめ塗装されている。その後シロンは台風のようなシャワーを浴びせられ、インテリアに取り掛かる前に雨漏れをチェックされる。これが終わるとインテリアの取付が行われるが、新しいオーナーの元へ届けられるのはまだである。

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