車両火災 ひとりの一般男性が突き止めた真実 重大リコールへの顛末

公開 : 2018.06.30 19:10

2代目ヴォクゾール・ザフィーラで300件以上も発生した車両火災事故の原因を突き止めたのは、メーカーでも、政府機関でもなく、専門知識を持つひとりの男性でした。周囲のサポートを受けつつ、彼はどのようにしてこの問題に立ち向かったのでしょうか?

もくじ

相手は巨大メーカー
ダビデとゴリアテ 頑なな対応
最初のリコール 再びの車両火災
2度目のリコール 議会も注目
捜査に発展 制度も改革
ザフィーラ車両火災 何が変わったのか

相手は巨大メーカー

空手が趣味のダン・ハントは、これまで狙いすました一撃で対戦相手を打ち負かしてきた。

しかし、これまでで最大の敵を屈服させるために役立ったのは、ダンの電気事故調査員としての経験だった。彼こそが、2005年から2014年の間に生産されたヴォクゾール・ザフィーラで起こった、300件以上の車両火災事故の原因を突き止めた人物なのだ。

ダンが、妻のジョーの手助けと、スー・フリーマントルとクレア・ウィートリーが結成したフェイスブックのザフィーラ車両火災への対応を求めるグループの支援を受けて集めた証拠によって、2度のリコールが実施されたことを、英国下院交通委員会と、消費者保護を担当する取引基準局の調査委員会作成の報告書が明らかにしている。


「ダンとジョーは、交通安全を所管する政府機関であるDVSA(Driver and Vehicle Standards Agency)による、ヴォクゾール・ザフィーラに関する調査に多大なる貢献をしてくれました」とDVSA車両安全担当責任者であるイアン・バートレットはAUTOCARに語っている。「彼らのお陰で、われわれはタイムリーにこの問題の拡がりを把握し、実際に車両火災を経験したオーナーたちと接触することができたのです」

「彼らが下院交通委員会に提出した資料が、多くの委員会勧告に繋がり、結果として、リコールの取扱いに関して、多くの改善を行うことができました。貴重だったのは、ドライバーが直接DVSAへ車両不具合を連絡し、自身の車両がリコール対象かどうか、もっと簡単に調べることができるようにする必要があると気付かせてくれたことです」

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