ル・マン24時間2018 アストン、ヴァンテージGTEで連覇挑戦 期待のチームや新人も

公開 : 2018.06.16 08:10  更新 : 2018.06.20 10:13

今年もル・マンの季節がやってきました。昨年に続くクラス優勝を狙うアストン マーティンは、新型ヴァンテージとともに開発したヴァンテージGTEで連覇に挑戦します。さらに、今回のル・マンには元F1レーサーから、期待の新人まで、29名もの英国人ドライバーが登場します。

もくじ

新型ヴァンテージGTE ロードカーとの共同開発
こだわりのエアロダイナミクス 目指すは長期政権
番外編1:期待の新星
番外編2:ベスト・オブ・ブリティッシュ

新型ヴァンテージGTE ロードカーとの共同開発

昨年11月、アストン マーティンから、2台の新型ヴァンテージが発表された。アストンの新型スポーツカーとともに公開されたのは、今週末のル・マン24時間に挑戦するヴァンテージGTEだ。この同時発表には、象徴的な意味合いだけでなく、2台の開発作業が密接に絡み合っていたことを示している。

ゲイドンにあるアストン マーティンの開発チームが、ロードゴーイングモデルのヴァンテージを担当する一方で、バンベリーに拠点をおく、プロドライブ率いるアストン マーティン・レーシング(AMR)がサーキットバージョンの開発作業を進めていたのだ。

2017年のクラス優勝を最後に、現役を退いた先代ヴァンテージV8 GTEに妥協がなかった訳ではない。ロードカーをベースに、苦心して作り出したGTモデルだったのだ。2008年にデビューした旧型ヴァンテージGT2の進化版として、2012年に登場したこのクルマは、2005年発表のロードカーをベースにしていた。


いまやGTEクラスの様相は様変わりしている。フォードGTを筆頭に、ライバルモデルたちは開発手順を逆にすることで、ルールを有名無実化してしまった。つまり、最初にレースカーの設計を行い、そのあとで、規制に合致したロードゴーイングバージョンを作り出すという手法だ。

ヴァンテージGTEは、こうした手法から生み出されたわけではないが、その目指すところは同じようなものだ。「GTレースで成功を収めるには、ロードカーと同時にレースカーを開発する必要があるのです」とAMRのテクニカルディレクターであるダン・セイヤーズは話す。

「ロードカーの設計にそれほど影響を及ぼせる訳ではありませんが、ゲイドンではロードカー開発チームと多くの時間を過ごしました。通常よりもかなり早い段階で設計内容を把握することで、クルマそのものをはるかに深く理解することができます。このメリットの大きさは計り知れません。早期に設計全体の解析作業を行えるので、基本構造や、エアロダイナミクス、ボディワークといったものに対して、最適解を探す作業に着手できます」

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