ロードテスト レクサスLS ★★★★★★☆☆☆☆

公開 : 2018.07.29 10:10

 

はじめに ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

これまでのLSは、トラディショナルな3ボックスデザインを堅持してきたが、今回は初めてそれを、低く曲線的なフォルムを持つ4ドアのグランドツアラーへとシフトしてきた。詳しく見れば、スーパーモデルのように頬骨の張ったマスクや、スピンドルグリルを始点にリアまで続くキャラクターラインなどが、デザイン重視の購買層に訴えかけようとしているのは明らかだ。

このような野心的なデザインは、えてして技術革新なしにはもたらされない。そのひとつが、LCから導入されている新規プラットフォームのGA-Lで、これにより先代とは全く異なる寸法に仕立てられた。3125mmのホイールベースは、先代のロング版よりも35mm長い。いっぽうで、ルーフラインは15mm、ボンネットは30mm、それぞれ地面へと近づいている。

アルミと高強度スチールの組み合わせという素材は、高級サルーンのプラットフォームとしては一般的。技術的な装備としては、高級4ドアに求められがちなもので、このLSには備わらないアイテムはほとんどない。ただし、ボンネットの下に関しては話が違ってくるのだが。サスペンションは四輪独立の、レクサスがハイマウント・マルチリンクと呼ぶもので、エントリーグレードにはスチールのコイルスプリングとアダプティブダンパー、それ以外にはアダプティブ・エアサスペンションが装着される。

エントリーグレードは後輪駆動のみの設定だが、中級グレードの豪華版ではオプション、プレミアグレードでは標準で、4WDを搭載。またFスポーツ仕様には、四輪操舵と速度感応式可変レシオステアリングが与えられ、敏捷性を高めている。

少なくとも現在のところ、英国で販売されるLSのパワートレインは、マルチステージハイブリッドと呼ばれる1種類のみが用意される。これは299psの3.5ℓV6ガソリンと180psのモーターに電気式CVTを組み合わせるトヨタ式ハイブリッドに、遊星ギアを用いた動力分割機構と4段ATを直列配置して、10段変速制御を行うメカニズムだ。

駆動用のリチウムイオンバッテリーによるEV走行の航続距離は極めて短く、CO2排出量はFRモデルが147g/km、4WDモデルが161g/km。後者の数字に関する限り、レクサスがアウディメルセデス・ベンツの競合車に対し築いたアドバンテージはわずかだ。

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