ルート66:忘れられたハイウェイ アキュラNSX試乗記 前編

公開 : 2018.08.05 11:40  更新 : 2018.08.05 12:32

ロードトリップの草分けであるルート66の旅はいまもかわらず最高でしょうか? イリノイ州シカゴでアキュラNSXを借り出し、無計画に西海岸を目指します。道中ではNSXがひとびとの関心を集めます。アメリカでは車幅の広さも気にならず扱いやすいようです。

もくじ

前編
テキサス州マクリーンという街
荒れ果てた町 NSXを借り出す
イリノイ州シカゴを出発
無計画な旅 扱いやすいNSX
大部分がインターステートに置き換え
ひとびとの興味を集めるNSX

後編
地面に刺さる10台のクルマ
果てしなく続く荒野
全米のコーナーを集めたような峠
ロサンゼルスに到着
番外編:英国版ルート66をいく
ルート66とは似つかないA66

テキサス州マクリーンという街

ルート66がなんたるものか知りたいけど4000kmも走ってられないよというなら、マクリーンへ行けばいい。

テキサス州マクリーンは、20世紀の初め家畜運送用の鉄道ヤードの近くに作られた町だ。そして急激に栄え、石油や家畜の一大運送拠点になる。そして、1926年に建設がはじまったもっとも有名なハイウェイのひとつルート66が中心部を走ることになった。小さな町は、1940年代には1500人もの住人でおおいに賑わった。

だが経済の発展にともなって、マクリーンもほかの地方都市と同じ運命をたどることになる。産業が数少ない大拠点に集中し、それらを2.4kmもの長さの貨物列車と120km/hで爆走するトラックが結ぶようになると、マクリーンを通るものはいなくなった。1980年代には近くを通るインターステート40号線ができた。ただ英国ではバイパス建設で地方都市が息を吹きかえしたが、インターステートはアメリカに正反対の結果をもたらした。ひとびとはますます外へ吸いだされ、町は取りのこされた。

そして今、整然と区画整理された1.6km四方の居住区に2車線の一方通行道路を完備した町マクリーンにのこるのは、800人に満たない人口、廃屋と化したモーテル、もはや影も形もないはずのガラガラヘビ注意の標識、そして博物館になりそうな有刺鉄線の山だ。

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