ロードテスト ポルシェ911GT2 RS ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2018.08.05 06:10

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

内装 ★★★★★★★★★☆

標準仕様の内装には、リクライニング機構を持たないフルバケットシートと、ハーフタイプのロールケージ/6点ハーネス/消火器/キルスイッチで構成されるクラブスポーツ・パッケージが備わる。インテリアの差別化をもたらすこうしたアイテムは、ドーピングバリバリといった具合に膨れ上がったエクステリアと合わせて、これから始まるドライビングがいかなるものか予感させる。

シートに関しては、ホールド性低下と引き換えにリクライニングを可能にしたセミバケットタイプや、18ウェイの電動調整機構を持つスポーツシート・プラスへの換装が可能。とはいえ、快適に座ることを求めるだけなら、それらを選ぶ必要性は低い。というのも、もとから付いてくるフルバケットが、狭さや強い束縛感を覚えることはなく、高さだけだが電動調整できて、長距離乗っても苦にならないものだからだ。

ポルシェが、GT2 RSの専用装備をきわめて少なく抑えたのには理由がある。ユーザーが、自社カスタム部門のエクスクルーシブマニュファクトゥアへ少なからぬカネを落とすだろうことを見越しているからだ。たとえばインテリアは、エクステリアと色調を揃えるようオーダーすることができる。テスト車のインテリアにもエクステリアとの共通項を見つけられるが、それはシフトパドルやステアリングホイールなどに用いられたカーボンパーツだ。それらはヴァイザッハ・パッケージに含まれるアイテムだが、おかげで悪目立ちしないビジネスライクな空間で運転に集中できた。

911が高く評価されるポイントのひとつがドライビングポジションだが、それはこのクルマでも失われていない。ミドシップ・スーパーカーのように車体中央付近へ低く座らされることはなく、それでもクルマの中心に組み込まれたような感覚がある上に、視界はスーパーカーの水準より上を行く。ステアリングホイールは、本来の用途にのみ特化したデザインで、オーディオやトリップコンピューターなどのスイッチ置き場は用意していない。見栄えも握り心地もよく、なによりリムがちゃんと円形なのでスムースに回せる。

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