アルピーヌA110新型、国内最速試乗 4C/エリーゼよりもケイマン寄り

2018.08.04

コクピットに収まる

約束の場所に着くと、想像していたブルーではなく、ちょっとパールがかった感じのホワイトのA110が待っていた。さすがアルミ製、と実感させる軽いドアを開けてコクピットに収まり、1脚13.1kgという軽量なサベルト製バケットシートに身体をはめ込む。

このシート、見た目のとおり身体をしっかりホールドするのに加えて、固定式バックレストのアングルも適切で、尻の部分のクッション性も多少ありと、かなり上出来な代物。半日乗っていても身体が不当に疲れたり、腰が痛くなったりすることはなかった。

ただし、クルマの雰囲気からすると着座位置が高めなのがちょっと残念だった。実はこのシート、ボルトの抜き差しで調整するハイトアジャストが3段階あり、試乗車はそのとき中間のポジションだったようだ。そこで、自分のクルマだったら一番下に固定、と納得。

ちなみにコクピットは現代車としてはタイトな部類だが、閉所恐怖症的に狭かったオリジナルA110と比べたらかなり広く、優に4畳半と6畳以上の違いがある。

4Cよりもケイマン寄り

都内の住宅街の裏道を抜け、東京インターから東名に入って厚木までクルージングした時点で、新型アルピーヌA110の基本的なキャラクターが読めた気がした。

オリジナルA110がアルプスを速く駆け抜けることに特化した単能車だったのに対して、新型は少々意外にも、必要なら日常の足にも使えるワイドレンジなスポーツカーなのだった。

現代の同カテゴリーのミドエンジンスポーツカーとの対比でいうと、アルファ4Cやロータス・エリーゼ/エキシージ系というよりも、むしろポルシェ718ケイマンの領域に足を突っ込んだクルマ、という印象をうけたのである。

例えば、コクピットへの乗り降りが比較的し易かったり、ステアリングがチルトとテレスコピックの両方調整可能でドライビングポジションを決め易かったり、自分の運転姿勢だとシートの後ろに手荷物を置くスペースが確保できたり、ボディ前後のトランクルームが予想していたより使えそうだったり、という意味の実用性がひとつ。

もうひとつは、クルージング時のメーター100km/hはDCTトップ7速で2200rpmにすぎず、背中のすぐ後ろにエンジンが収まっていることを忘れさせるほどコクピットが静か、というGT的資質を持っていること。さらに、ボディ剛性の高さもその点に寄与している。

エンジンが2000rpm前後の実用域から使えるトルクを捻り出すのも、ステアリングの直進状態の締まりがよく、高速でも軽く握っているだけで真っ直ぐに突き進んでいくのも、GT的要素の重要なポイントだろう。

ただしひとつだけ、期待外れなことがあった。

 
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