クルマの板金 直面する後継者の育成問題 英名門に密着

公開 : 2018.09.02 08:40

アルミ板をACコブラのフロントフェンダーに仕立て上げるのはどのくらい難しいのでしょうか? コリン・グッドウィンが名門板金店G&Aファブリケーションにお邪魔し、その作業に挑戦しました。仕事は山のようにありますが、後継者不足に悩んでいると語ります。

もくじ

ACコブラのフェンダー製作を体験
監督するローレンス・ケット
神経を使うホイーリング
ケットの完ぺきな仕上げ
もっと若い血を!

ACコブラのフェンダー製作を体験

知っての通り、英国にはビリオネアが100人以上いる。そのうち72人がロンドンに住んでいるが、今月下旬にモントレーで開かれるRMサザビーズのオークションに1962年製のフェラーリ250GTOが出品されることは、彼らの関心事だろう。

GTOは今年初めに5200万ポンド(73億6000万円)で販売された。クルマの価格としては最高額だ。驚くべき価格だが、考えなくてはならないこともある。もしこのフェラーリをぶつけてフロントフェンダーが凹んだら、英国でそれを修理できるひとは72人よりずっと少ない。

その数少ないひとりがグレース・ローフだ。ホットロッド乗りでドラッグレースのファンである22歳の彼女は、伝統ある板金製作会社、G&Aファブリケーションの見習社員だ。サリーのウォルトン・オン・テムズにあるテキサコのガソリンスタンドだった場所の裏手にひっそりと佇む会社だ。

小さな作業場で、ちょっと散らかっていてスペースも不足気味だが、奇跡の起こる場所である。今日もまた奇跡が起きるかもしれない。なぜなら、ローフの助けを借りて、20ポンド(2800円)のアルミ板をACコブラのフロントフェンダーに加工するのだ。このわたしが。

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