ジャガーXJ 一時代の両端 初代と現行モデルに試乗

公開 : 2018.09.16 11:40

ラグジュアリーセダン、ジャガーXJが辿った50年は決して平坦な道ではありませんでした。。アンドリュー・フランケルが1968年のシリーズ1から現代のXJR575に至る血統をたどり、来るべき次期型モデルについて思いを巡らせます。

もくじ

50周年を迎えたジャガーXJ
乗り心地とハンドリングを両立
デウィスのXJシリーズ1
今でも色褪せない乗り味
次世代型XJへ
ジャガーXJ 歴史に残る5台
XJの電動化の将来
ジャガーV8の終焉

50周年を迎えたジャガーXJ

クルマの昔話の中には奇妙な皮肉ともいうべきものが潜んでいる。このクルマのように。ジャガーXJの50周年を祝うわたしは、誕生から今日までに作られた多くのモデルを前に立ちすくんでしまう。将来光があたるであろう最良のセダンというべきクルマたちだ。

歴史を通じて、われわれが回顧したくなるようなクルマは未来を見据えたクルマばかりである。ジャガーは退職のご褒美に買うといったステレオタイプなイメージが昔からあるが、ジャガー自身はそのイメージを壊そうとしてきた。

今日でもこのジャガーXJR575は過去のしがらみを破壊しようとしているように感じられる。このクルマが戦いを挑むホットなメルセデスやBMWアウディは、コンセプトとしては実際にはそんなにクラスを外れてはいない。

強力な加速やあごが外れるようなスピードも、混雑した駐車場では無用の長物、気付かれることもない。しかし、5000ポンド(71万円)もするサテン・コリス・グレーのペイントを別にしても、XJRは常に人の関心を引くクルマである。すべての最良のジャガーがそうであるように、最良のXJはいつも主張のあるクルマだった。

クルマの中身も同様。ドイツ人が好む工業的な上辺の清潔さといったものはジャガーにはない。XJRのインテリアにはときどきダッシュボードを拳で殴りたくなるような一面もある。その筆頭は使い物にならないナビゲーションとインフォテインメントシステムだが、それを除けば、わたしには快適至極である。

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