英国のEU離脱、失業率悪化 JLRボスが指摘 ディーゼル逆風も懸念

公開 : 2018.09.12 19:10

「ディーゼルへの逆風も懸念要因」

スペスはまた、ディーゼルへの逆風がすでにJLRで1000人の失業者を生む原因となっており、この状況が続けばリストラも続行されると語る。

政府のディーゼル車販売を妨げる動きが、旧車よりむしろ新車を標的にしているのが気がかりだという。

「より厳しいレギュレーションや高い課税により、より新しくクリーンなモデルの販売が妨げられています。その犠牲になるのは労働者です。1000人がJLRでの職を失えば、その家族や、ひいては地元経済にまで影響は波及します。今後、失業者の数は増えるかもしれません。切り捨てることではなく、産み出すことに集中させてほしいのです」

JLRのソリハル工場における従業員解雇は、英国におけるディーゼル車の販売不振を引き金に、この4月に実施された。2018年1月〜4月の登録台数は新車登録全体の33.5%で、前年比で10.5%も減少したのだ。

ディーゼル問題とブレグジットのリスクにスペスが苦言を呈するのは、今回が初めてではない。これまでも強硬離脱がJLRに引き起こす問題についての発言は歯に衣着せぬものだったし、また「ディーゼルには必ず未来があり、そうである必要がある」とも繰り返してきた。

JLRは電動モビリティへ力を注ぐ流れの中にあり、ジャガーIペースに続いて、今後数年で多数の電動モデルを導入しようとしている。それでもスペスは、ディーゼルの重要性を力説し続けてきた。

「新型ディーゼルは、今もって多くのひとびとにとって適切な選択です。もしもその代替案なしに廃止されるようなことがあれば、地方での暮らしはどうなるのでしょうか。インフラ整備が整っていなかったなら、田園地帯ではどうすればいいのですか。ハイブリッド・パワートレインも、全て内燃機関が必要です。ディーゼルにしろガソリンにしろ、それと電力テクノロジーが揃わなければならないのです」

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