フランスはどう報道? カルロス・ゴーン会長、内部告発で逮捕

公開 : 2018.11.20 18:10

経済的な「宣戦布告」か、否か?

周知の通り、日産の筆頭株主は43.4%を保有するルノーで、そのルノー株の15%はフランス政府が保有している。

ルノーにおける仏政府の議決権増大と、日産の垂直統合は、エマニュエル・マクロン仏大統領が経済産業デジタル大臣だった頃から前のめりだった案件だが、フランスの雇用確保と収益還流に前向き過ぎて、日産の疑念は増すばかりだった。

ブレグジット後の英国に対し厳しい姿勢を崩さないマクロンの姿勢も、英国に工場を持つ日産には懸念材料だったはずだ。

ブリュッセル訪問中のエマニュエル・マクロン大統領は「事実に関する補足的な情報を持ち合わせていないので、その真相や具体的状況について意見を述べるのは時期尚早です。株主である国(フランス政府)は、連合の安定、グループ、グループの全従業員のために必要な安定を極めて注意深く見守っていきます。株主である国はグループ従業員に対し、まさに全面的な支援を保証すると申し上げたいと思います」と、声明を発した。

他国の司法機関が捜査している間に内政干渉じみた発言をしないのは、三権分立の確立された国の元首の立場では当然のことだ。

だが今回の日産の一連の動きは、日本側の官民一体の動きとも見られている。

じつは11月19日、20日の両日、フランスから公式に経済/財務省のアニエス・パニエ=リュナシェ副大臣が来日していて、あろうことかそのミッションは「フランスの経済的魅力をアピールするため」だったりする。

麻生財務大臣と会っている様子もツイッターで公開されているし、パリ・ユーロプラス東京フォーラムでは「フランス経済を深部から改善」「外国投資に対する優遇措置」「欧州大陸でNo.1の金融センターとなるためのパリの資質」といった、明確なメッセージを発したのだ。

しかも就任早々の新米副大臣の来日に先立つ17日、安倍首相とマクロン大統領はパリで首脳会談を行っていた。

国交成立160年、在日フランス商工会議所の設置100年の節目に、来年はG7とG20の議長国をそれぞれ務める両国が連携強化を確認している最中に、何の手打ちもないまま今回の逮捕劇があったのなら、それはほとんど経済的な宣戦布告のようなものだ。

もし手打ちが済んでいるのなら、先のメッセージに沿えば、日産からルノーへの資本注入&外資誘致によるアライアンス内の均衡改善も、十分に考えられるシナリオとなる。いずれだったのか、今のところは「注視する」他、ないようだ。

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