ルノー・メガーヌ1.2 TCe GTライン

公開 : 2012.03.22 17:21  更新 : 2017.05.29 19:23

■どんなクルマ?

新しいガソリンとディーゼル・エンジンを搭載し、新しいトリムと装備を与えたメガーヌを、ルノーはメガーヌ・コレクション2012と名付けている。このメガーヌ・コレクションには、ルノーの4+オーナシップ・プログラムを含まれる。それは、4年間10万マイル無料保証、4年48000マイルのルーチンなサービス、4年間のロードサービスなどだ。

ともあれ、この新しいメガーヌ・コレクションの中で、最も面白そうなのは新しい1.2リッターのTCeターボ・ユニットだ。このエンジンは、ルノーとして初の直噴ターボ・エンジンである。ターボチャージャーはインテイク・マニフォールドに統合され、ヴァリアブル・バルブ・タイミングと一緒になって4気筒エンジンからパワーを絞りだす仕組みだ。数値的には113bhp/4500rpmのパワーと19.4kg-m/2000rpm-4000rpmのトルクを持ち、18.9km/lの燃費と119g/kmのCo2排気量をマークする。

スタート・ストップ・システムは特別なクイックなテクニックが採用されている。それは、4つのシリンダーのうちベストなポジションにあるピストンに最初に火を入れるというものだ。その他、ルノーのエンジニアはテフロン加工したタイミング・チェーンなどで内部のフリクション・ロスを低減する仕組みなども取り入れている。

セビリアの丘でテストすることになったわれわれの車両は、最も整ったトリムが採用されていた。GTラインと呼ばれるトリムで、大画面の衛星ナビ、ルノー・スポーツのフロント・シート、スポーツ・ステアリング、アルミ・ペダル、リアビュー・カメラ、リア・ティンテッド・ウインドー、全自動エアコン、オート・パーキング・ブレーキと17インチ・アロイ・ホイールがセットとなったもの。

ただしGTラインでも、シャシー・セット・アップは通常のメガーヌ・クーペと同じで、適切なサイズのブレーキ・ローターと、ルノー・スポーツ・クーペ同じサイズのマスター・シリンダーを持つ。

■どんな感じ?

身を切るような洗練さがあり、広い回転域で十分なトルクがもたらされているエンジンだ。考えたかによれば、うまく抑制されすぎていて、礼儀正しさが鼻につくエンジンでもある。とはいうものの、そのエンジンは最も印象的だ。洗練されていてとても静かな心よいランニングを示す。ディーゼル・エンジンに慣れてしまったドライバーにとって、大量のフレッシュエアを必要とするこのパワー・トレインは驚くべきほど静かだ。

また、スタート・ストップ・システムも、素早く優雅に効く。

この1.2リッター・エンジンは、左ハンドルでは非常に滑らかなクラッチとシフトではあるが、頻繁なギア・チェンジを行わなくてもよく走る。また、優れたシートとステアリング・ホイール、穏やかな乗り心地は、少なくともスペインの道の上では快適だった。

コラムに配置された温度調節を含むスイッチギアのレイアウトもうまく設計されていて使い心地が良い。但し、キャビンサイズについてはゴルフやフォーカスほど広いとは感じなかった。

文句があるとすれば紛らわしい存在の「GT」タグだ。このメガーヌは、スポーツ・モデルではまったくないからだ。

シャシー・チューニングは安全第一で適度のグリップを持ち、ワインディング・ロードを攻めても破綻しない。残念ながらスポーツ・シートは積極的なフィードバックをスポイルしてしまうものだった。

■「買い」か?

変わったモデルだということができる。改良され革新されたエンジニアと、穏やかなスタイリング、そして幾分特徴のないドライビング・テイスト。確かに、標準的なスペックは健康的だ。燃費も良い。

ディーゼルのGTラインが1,500ポンド19万円高いことを考えても、ガソリン・エンジンの静かなエンジンは魅力的だ。エントリー・レベルのメガーヌとしては、間違いなくおすすめだ。

(ティム・ディクソン)

ルノー・メガーヌ1.2 TCe GTライン

価格 19,825ポンド(262万円)
最高速度 190km/h
0-100km/h加速 10.9秒
燃費 18.9km/l
Co2排出量 119g/km
乾燥重量 1205kg
エンジン 直列4気筒 1198cc
最高出力 113bhp/4500rpm
最大トルク 19.4kg-m/2000rpm-4000rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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