元マクラーレン 伝説的デザイナーに独占インタビュー 関心、地上から空へ

公開 : 2018.12.24 17:10

伝説的カーデザイナー、フランク・スティーブンソンに英国版AUTOCARのクロプリー編集長がインタビューしました。2017年にマクラーレンを離れ、自身のスタジオを始めたスティーブンソンですが、インタビューではニュー・ミニのデザインプロセスを明かしてくれました。

もくじ

デザイナーのためのデザイナー
ヒット作は綺羅星のごとく
モトクロスレーサーからデザイナーへ
卒業生は逸材揃い そしてミニへ
独特のアプローチ 満場一致
番外編1:フランクのお気に入り
番外編2:次期ミニに非ず

デザイナーのためのデザイナー

もし、カーデザイナーのためのカーデザイナーとでも呼ぶべき存在がいるとするなら、それはフランク・スティーブンソンを置いて他にはいないだろう。

過去30年以上にわたって、フェラーリフィアット、ミニにマセラティといったブランド向けに数々のモデルをデザインしてきた彼だが、いまはリリウムという名のドイツのベンチャー企業が製造する垂直離着陸可能な電動ジェット機という、まったく新しい移動手段のデザインを手掛けている。2020年代には、ヒースローからピカデリーといった近距離移動のために、ウーバーのごとく利用することができるようになるだろう。スティーブンソンは、このアイデアを「地上から空への移動手段の変化」になると話す。

もちろん、だからと言ってクルマが無くなるわけではない。スティーブンソンは、2001年の登場以来、輝かしい成功を続けるBMW製ミニのデザインを手掛けたことで英国では有名であり、ロンドン中心部で行ったインタビューで、カメラマンが気軽に何か書いているようなところを撮りたいと頼むと、そのまま多くの時間を電動シティカーの新たなスケッチに費やしてくれた。


スティーブンソンは常に何かをスケッチしている。彼にとっては気晴らしと創造性の発露とは混然一体のものなのだ。59歳になったばかりだが、彼ぐらいの年齢であればとうの昔にマネージャーとなり、自らペンを握るよりも、毎日を他のデザイナーへの指示に費やしているものだ。

しかし、スティーブンソンにとっての仕事とは常に創造性と直に結びついている。「手を動かすことを嫌だと思ったことなどありません」と彼は言う。「考えるよりもまずは描いてみるのです。手が仕事をしてくれているようなものです。他のデザイナーも同じだと思います。そこから何が現れるかです」

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