劇画のクラシック、「ゴルゴ13」の50年……ゴルゴ展にAUTOCARが突撃

2019.01.10

ビッグコミック50周年展 1/14まで開催中

50年にわたって「ゴルゴ13」という劇画のクラシック(定番)を掲載し続けてきた媒体である「ビッグコミック」(小学館刊)。ゴルゴが50周年ということは、もちろんビッグコミック誌も今年50周年を迎えた。そこで川崎市市民ミュージアムでは1月14日までの会期で『ビッグコミック 50周年展』を2階・企画展示室2で開催している。

こちらも非常に濃く深い展示内容となっており、手塚治虫、石ノ森章太郎、白土三平、さいとう・たかを、水木しげるといった創刊時に掲載された作品から、現在連載中の石塚真一『BLUE GIANT SUPREME』や、かわぐちかいじ『空母いぶき』といった歴代の名作の原画や複製原画などが展示されている。

また、「ビッグコミック」50年の歩みを創刊から10年ごとに区切り、変わりゆく時代と掲載作品の軌跡をたどる展示や、さいとう・たかをや藤子不二雄Ⓐ、松本零士などの作家陣のインタビュー映像『「ビッグ」を語ろう』といった映像展示まで、さまざまな切り口で大人向けマンガ雑誌の50年を感じることができる。そして『「ビッグ」な名作アラカルト』と題されたコーナーでは、広大な会場内の壁一面に歴代のビッグコミックのバックナンバーの実物を展示。しかも、展示の一部は実際に手に取って読むことができるようになっているのだ!

なお、ビッグコミック50周年展も川崎展の後、宮城県・石ノ森萬画館(2019年1月25日〜4月7日)、新潟県・新潟市マンガ・アニメ情報館(2019年4月20日〜6月16日)でも開催されるので、機会があればぜひ訪れてみて欲しい。

川崎市市民ミュージアムのコトと私信

今回の企画は、筆者がゴルゴ展の存在をゴルゴファンのAUTOCAR編集部に知らずに伝えてしまったことから起こってしまった偶発的事故のようなものであった。はっきりいって会期終了間際で取材を受けるメリットもほぼ皆無といえる中、快く取材許可をくださった川崎市市民ミュージアムのスタッフの方々には感謝するばかりである。ありがとうございました。

話は変わってこちらの川崎市市民ミュージアム、実は筆者が日常的に通る道端にある。ゆえに面白そうな展覧会をいつも開催していることは知っていたし、実際のところ年に何度も足を運んでいる。ちなみに直近で覧たのが、7〜9月にかけて開催されていた『かこさとしのひみつ展ーだるまちゃんとさがしにいこうー』である。(同時期に開催していた『ロシア革命とグラフィック表現』展はタイミング悪く見逃した!)

昨年5月に92歳でご逝去された絵本作家で工学博士のかこさとし氏。彼の描く絵本で多く登場する『だるまちゃん』のキャラクターや、一連の科学絵本シリーズなどで偏執的といってもよい密度で描かれたメカニズムの描写は、筆者にとって幼少時から強く印象に残るものであった。現在、筆者がこうしてAUTOCARで原稿などを書いているのも、モトを辿ればかこ氏の一連の作品と、『もりたろうさんのじどうしゃ』(作:大石真・絵:北田卓史・ポプラ社刊)、『しょうぼうじどうしゃ じぷた』(作:渡辺茂男・絵:山本忠敬・福音館書店刊)の影響であることは間違いないだろう。

…と長々と書いていると「文字数を稼いでいるンじゃない!」と編集長に怒られそうなので、このあたりで締めるとしよう。実は筆者、「ゴルゴ13」の存在自体は子どもの頃からハッキリと焼き付いていたのだが、これまで深く接する機会を逃してきた。今回、取材をしてみたり、コンビニでポケットゴルゴ(SPコミックPOCKET EDITION)を買って読んでみたりして、より興味が増した。しかし、50年となると全ての話を入手するのは難しそうだなぁ。というわけで原稿料が入ったらまずはM16買ってきて……あっ、その前に車検だった。

川崎市市民ミュージアム

ーー漫画担当の学芸員もいる、日本の公立館として初めて漫画部門を設置した美術館ーー

所在地:神奈川県川崎市中原区等々力1-2
電話番号:044-754-4500
開館時間:9時30分〜17時00分(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(休日の場合は開館)、祝日の翌日(土・日の場合は開館)、年末年始
https://www.kawasaki-museum.jp/

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