AUTOCARロードテスト90周年(7) 乗り心地と操舵 最大の革新分野

公開 : 2018.12.22 10:40

極太タイヤの一般化 4WDの登場

だがピレリがその後新タイヤP7を発表して状況は一変した。ポルシェ911ターボで225/50サイズのリアタイヤが採用されると、すぐにランボルギーニなども345/35サイズのタイヤで走り回るようになった。

これら極太低扁平率タイヤが、世界の超高性能車のさらなる性能アップへの扉を開いた。コーナリングスピードだけでなく、トラクションやブレーキ能力にも少なからず貢献したのだ。

それからはシャシー技術に画期的といえる進歩はほとんどなかったが、さりとて1980年にはじめて四輪駆動をスポーツ走行の武器に引っさげてきたアウディ・クワトロの名前を出さないわけにはいかないだろう。加速時のタイヤの負荷を半減しただけでなく、従来の前輪駆動プラットフォームのクルマに大変更を加えずして大量のトルクを流し込むことを可能にしたからだ。

あと、まだ当たり前とまではいかないが、カーボンファイバー製のボディ骨格が使われるのも1994年のマクラーレンF1(公道走行可能なレーシングカーをふくめるなら1990年のジャガーXJR-15がある)あたりからだ。軽量化はもとより衝突安全性能も大幅に高まるが(話によれば、F1では衝突試験を廃したという)、それまでの技術では達成不可能なレベルのねじり剛性を得られることが大きかった。

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