ロードテスト キア・スティンガー ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2019.01.04 10:10  更新 : 2021.03.05 21:36

キアの中で最もダイナミクス性能に振ったモデルがスティンガー。歴史ある欧州のエグゼクティブサルーンと比較した時、ユーラシア大陸の東に位置する国が生み出したクルマはどう見えるのでしょうか。日本未導入ですが、英国でじっくり検証しました。

もくじ

はじめに
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
内装 ★★★★★★★☆☆☆
走り ★★★★★★★☆☆☆
使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
乗り味 ★★★★★★★★☆☆
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
スペック
結論 ★★★★★★★★★☆

はじめに

ここ数年の間に、キアという自動車ブランドは大きく変わりつつある。安価で目立った特徴のないハッチバックやSUVを生み出していた、韓国の産業を支えていたひとつのメーカー、というイメージは過去のものになりつつある。

ドイツ人デザイナーのペーター・シュライヤーをデザイン部門の主任に招き、ヨーロッパのデザイン部門のチーフにグレゴリー・ギヨームを据えたことも大きく影響し、デザイン面での進化もめざましい。またクルマの製品品質も大きく向上している。今回のロードテストの対象は、そんな進化の過程で生まれた3番目のモデル、キア・スティンガー。

この印象深い雰囲気を持つグランドツアラーは、スタイリングや品質の面でダブルスコアの躍進を遂げている。また後輪駆動のプラットフォームを得ることで、ドライバーズカーとして優れた技術力を示したい、というシリアスな目論見もある。キアというブランドの立ち位置をワンランク上げる役目を担ったスティンガーは、長い開発期間の末に誕生した。コンセプトカー、「GTコンセプト(写真)」がお目見えしたのは2011年のフランクフルト・モーターショー。それから生産前提のクルマがアンベールされたのは、昨年のデトロイト・モーターショーだった。

その6年の間に、キアはBMW Mディビジョンで車両開発を務めてきたアルベルト・ビアマンを雇い、ハイパフォーマンスを叶える開発体制を整え、新しく生まれるフラッグシップを、ニュルブルクリンク・ノルドシェライフェの厳しいテストで磨いてきた。

ブランド力を考えれば、開発費用の元が取れない可能性も否定できない中で、スティンガーを生み出したということは、キアの強い意志表明であり、評価に値するといえるだろう。しかしキアの思惑通り、今後につながる完成度を得ているのだろうか。詳しく評価してみたい。

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

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