ロードテスト レクサスES ★★★★★★★☆☆☆

2019.02.17

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

走り ★★★★★★☆☆☆☆

レクサスによれば、エンジニアたちは静かで穏やかなキャビンの構築に3年間も苦心の日々を続けたという。何しろ、ベンチマークはフラッグシップのLSだったのだから。しかし、昨年行ったLSのロードテストでは、さらなる洗練を求めたい部分も見つかった。そして今回、ESでも同様のケースが見られたのである。

高速道路の速度域では、室内でエンジンノイズを感じることがない。4気筒ユニットは、リラックスしたクルーズではとてもおとなしい。しかし、その副産物として、風切り音やタイヤノイズが余計に目立ってしまう。それを重く見るのは的外れではあるが、113km/hでの巡航時に65dBという騒音計の数値が、2018年にテストしたアウディA6アバント40TDIよりうるさいということには触れておきたい。

現実的なパフォーマンスとドライバビリティとなると、このハイブリッドのドライブトレインはレクサスでおなじみの内容だ。電気モーターが瞬間的に発する20.6kgmのトルクが、エンジンが本格的に稼働する前にパンチのある加速を生む場面なので、市街地の速度域でもっとも効果的に機能する。これにより、レスポンスに優れ、渋滞の中でもフットワークよく感じられるのだ。ほかのクルマたちの間を縫って駆け抜ける能力の持ち主だと言える。

ゼロスタートはシームレスでスムースだが、それはドライバーの入力がジェントルだった場合の話だ。雑な操作や急発進を試みた場合には、破綻を見せ始める。速さに問題はない。0-97km/h加速タイムは8.7秒で、これは先述のA6が8.6秒だったのと大差ない。ところが電気式CVTは、スロットルを大きく開けるとエンジンを突発的に高回転へ引き上げる傾向があり、それが想定した速度に達するまで続く。これは、ドライビングにおける由々しき問題だ。48-113km/h加速では、7.6秒のタイムと引き換えに、エンジンのややざらついた唸りに耐えなくてはいけない。これが、快適性重視のサルーンに適しているのか、疑問に感じることだろう。

ブレーキは、フロントがベンチレーテッド、リアがソリッドのディスクで、1742kgの運動体を静止させる制動性能に関しては上々。ただし、踏みはじめに手応えのなく、やや狼狽する。これにより、渋滞時には期待するほどスムースに停止できない。

テストコース

ES300hは、快適性重視でチューニングされたクルマである。それでも、ミルブルックの厳しいヒルルートに音を上げることはなかった。

スポーツモードでは、人為的に手応えを増したステアリングがほどよく自信を持たせてくれるので、連続するコーナーを流れるように駆け抜けるのを容易なものとしてくれる。しかし、横グリップとトラクションの程度は常に限られており、しかも前輪駆動ゆえに両者はトレードオフの関係にある。

さらに、前輪グリップの不足を伝える兆候はないのに、ダンロップ・スポーツマックス050の限界を知るにはそこまでハードにプッシュする必要はないときている。そして、その領域に達すると、スタビリティコントロールがかなり強引に介入してくるのだ。

順調に走れていると思わせる要因は、低い重心だ。ボディのロールはみごとにプログレッシブで、もっと重いクルマに乗っているようにさえ感じる。もちろん、実際にそうなのではないが。

T1でのコーナリングでは、このクルマの重量が際立つ。荷重移動を感じ取れる一方、前輪がアンダーステア方向へ押し出される感覚がつかめない。

T5通過時の沈み込みは、非常に巧くスタビリティシステムを起動させているが、上り勾配の手前でパワーを押し殺しているように思える。

T6への登坂では、スロットルペダルを思い切り踏み込むことが必要だ。パワートレインは十分すぎる働きを見せるが、エンジンはかなりの音量を発する。

発進加速


テストトラック条件:湿潤路面/気温6℃
0-402m発進加速:16.7秒(到達速度:141.5km/h)
0-1000m発進加速:29.7秒(到達速度:184.1km/h)


BMW 520d Mスポーツ(2017年)
テストトラック条件:乾燥路面/気温18℃
0-402m発進加速:15.8秒(到達速度:141.0km/h)
0-1000m発進加速:29.0秒(到達速度:180.1km/h)

制動距離


テスト条件:湿潤路面/気温6℃
97-0km/h制動時間:2.91秒


BMW 520d Mスポーツ(2017年)
テスト条件:乾燥路面/気温18℃

 
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