ロードテスト レクサスES ★★★★★★★☆☆☆

2019.02.17

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★★☆☆☆

GSの後輪駆動に見切りをつけ、新開発の前輪駆動プラットフォームであるGA-Kを採用したことで、レクサスがBMW5シリーズに挑むようなドライバーズカーを中型高級セダン市場に投入する時期は終えると決断したのは明白となった。ESの走りには、断固としてスポーティではない冷淡さが感じられるのだ。

しかしながら、それもこれも、ESの快適な乗り心地と静粛性を際立たせるための決定で、その努力は間違いなく無駄になっていない。空いた道での速度域では、サスペンションは路面のアンジュレーションを穏やかにゆったりといなす。ダンパーの縮みはスムースで、伸び側の動きは遊びがないが穏やかにコントロールされている。市街地での速度域でも、プライマリーライドは変わらない。

ところが、アダプティブダンパー抜きの仕様では、スポーツモードを選んでもこのソフトな乗り味のまま。ステアリングの手応えは増すものの、速度の乗るコーナーでは、クルマの重さとコンフォート志向の味付けが目立ち、走り重視のドライバーが好むようなきっちりとしたコーナリングをすることは決してない。平均的な走りをする限り前輪グリップは十分以上だが、電子制御のドライバーズエイドが目を覚ます前にアンダーステアへ転じさせようというのにも、エントリースピードを思い切り上げる必要はない。

そうは言っても、ステアリングは嬉しいほどに正確で、レスポンスは一貫している。少なくとも、不用意に右足へ力を入れフロントアクスルへやや余計な駆動力を送り込めば、そのモーメントを指先に感じることができる。

路面の大きめな突起や轍を処理する能力は、まずまず悪くない。ただし、このクルマの本分を考えれば、先述したハンドリング面の不足よりも期待はずれかもしれない。路面からの入力の遮断性が劣っているということは決してないのだが、市街地でも高速道路でも、サスペンションは小さな不整を呑み込むのにやや苦戦し、キャビンでは離れたところで起きているようなざらつきや振動を感じる。せっかくの洗練されたプライマリーライドほどには、セカンダリーライドが良くなかったのが残念でならない。

 
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