PSAグループ会長 Q&A EVが抱える諸問題 DSの中国市場への懸念

公開 : 2019.03.28 18:10  更新 : 2021.03.05 21:42

オペルの業績が回復 中国でのDS不調は気がかり

――PSAは他社との提携を考えていますか。

「今のところ探していません。我が社の将来に向けて、必要なキャッシュフローを生み出しているところです。資金は十分作ることができるでしょう。しかし、もし機会があれば、検討することもあり得ます」

――機会とはどのようなものが考えられるのでしょうか。

「2030年までは混沌とした状態が続くでしょう。まさにダーウィンの言う自然淘汰の世界であり、すべてのメーカーが生き残り、EVの世に適応できるというわけにはいきません。限られたものだけが生き延びられる世界。現在の契約社会とは正反対ですが、とても刺激的です。

――どうやってこれほど速くヴォグゾール・オペルを好転させたのですか?

「マネジメントはわれわれが行っています。(オペルCEOの)マイケル・ロシェラーが彼の母国で激しく批判されていることは悲しく思います。好ましいものではありません。50年にわたって赤字が続いていましたが、今では利益を上げている。それにもかかわらず彼が批判されるのは倫理に反します」

――DSオートモビルズの発展は喜ばしいものですか?

「はい。これまで4万台のDS 7を販売し、利益率は驚くほど高くなっています。唯一満足していないのは中国市場での業績ですが、商品の仕上がりは満足できるレベルに達しています」

――どうして中国で苦戦を強いられているのでしょうか。

「50対50のジョイントベンチャーモデルがうまく機能していないためです。動きの速い市場にもかかわらず、決断が非常に遅くなっているのです」

――今後のディーゼルエンジンの展望は。

「欧州でのディーゼル車の販売は8%ほど落ち、現在は35%を占めています。ドイツでは感情論ではなく道理の通った考え方が広まり、ユーロ6ではディーゼル車をゼロにするなどという独善的な方法ではなく、古いディーゼル車を新しいものと置き換えることによって環境の改善を図ろうとしています。現実的なアプローチと言えるでしょう」

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