英 2月の自動車生産台数、9カ月連続で低迷 前年比16.8%の下落

公開 : 2019.04.04 11:35

2月の英国全体の自動車生産台数は前年比で15.3%の下落となりました。この下落は9カ月連続のものとなっており、英国と主要な輸出先での需要の低下が主な原因として挙げられます。

もくじ

長期間低迷する需要と生産
業界トップが抱く懸念

長期間低迷する需要と生産

英国自動車製造販売協会(SMMT)が発表したデータによると、12万3203台の自動車が2月に英国内で生産されたが、これは昨年2月の14万5518台よりも少ない台数となった。

今年の現時点までに24万3852台の自動車が英国内で生産され、前年比で16.8%の下落となっている。

2月に生産された自動車のうち、前年比で11%の下落を記録した2万8350台は英国市場向けだ。また、輸出向けの9万7985台も前年比で16.4%の下落となった。英国内で生産された自動車に対する需要の低下は9カ月連続で続いている。

輸出向けの生産が低迷したのには中国市場での苦戦が主な要因として挙げられる。中国市場では英国の自動車に対しての需要が55.6%も落ちた。また、多くの英国車が輸出されるEUでも需要は14.9%の下落となった。

業界トップが抱く懸念

英国内で生産される自動車の10台に8台がEU向けに輸出されている中、SMMTのトップ、マイク・ホーズはこの低迷がEU強行離脱の結果だと何度も主張している。

ホーズは「ライバルに遅れを取り始め、低迷する市場や技術的な分断などが見られるこの業界がEUの強行離脱を難なく乗り越えられると思っている人に対しての警鐘」とこのデータを懸念している。

今後も英国内の自動車生産台数は落ち続けるだろう。BMWやミニなどを含む複数の工場が、毎年夏に行われていた閉鎖を離脱予定の3月29日あたりに前倒しした。

英国のEU離脱が不透明となった今、自動車生産の複雑さが生産拠点の確固たる閉鎖へとつながっている。先延ばしにされているEU離脱の時期や可否が、今後も自動車の生産への悪影響を残すことは間違いないだろう。

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