「中国のイーロン・マスク」 Nio社CEOインタビュー 新たなユーザー体験重視

2019.06.08

サマリー

数々のEVスタートアップ企業がひしめき合う中国で、「中国のイーロン・マスク」と称される起業家が立ち上げたメーカーが注目を集めています。フォーミュラEの初代ドライバーズタイトルを獲得し、ニュル最速EVの称号を持つメーカーのCEOに話を聞きました。

もくじ

プレミアムEVのスタートアップ テスラとの違い
顧客とのコミュニティー 謙虚なCEO
青空のために ユーザー体験が重要
車両生産は外部委託 バッテリーは交換可能
勝算は50%以上 目標は高く
番外編1:Nioハウスをご紹介
番外編2:Nio ES8の魅力

プレミアムEVのスタートアップ テスラとの違い

プレミアムなEVを創り出すスタートアップとして、これまで数々の企業を立ち上げてきた起業家が、新たなテクノロジーとビジネスコンセプトを武器に、自動車業界の巨人たちに挑もうとしているのだから、Nioが「中国版テスラ」と称されるのも当然かも知れない。

だが、よく見れば、Nioとテスラの間には、共通点よりも、違いのほうが多いことに気付くだろう。その違いの最たるものは彼らのコンセプトにある。テスラが新たなテクノロジーによって、既存の自動車産業を破壊し、自動車そのものを再定義しようとする一方、Nioが目指すのは、いま自動車業界が直面している変革の波に乗って、新たなユーザー体験を創り出そうというものだ。

このコンセプトこそが、数多ある中国発EVスタートアップのなかで、Nioが注目を集めている理由であり、高級自動車メーカーとして世界に進出する可能性を感じさせるものだ。そして、実際に彼は見事なスタートを切っている。


当初、NextEVとして2014年にスタートしたNioの名は、フォーミュラE(2014-15年の開幕シーズン、ネルソン・ピケJrがドライバーズチャンピオンのタイトルを獲得している)や、現在、ニュルブルクリンクのEVコースレコードを保持しているEP9という電動スーパーカーで馴染み深い存在かも知れず、ビジネスに関心があれば、ニューヨーク証券取引所への上場を思い出すかも知れない。

だが、こうしたすべては、Nioのロードカー登場以前の話だ。その第一号となったのが、昨年中国で発売されたSUVのES8であり、続いてより小型のモデルとなるES6も今年デビューしている。さらに、この4月には、2020年発売予定のサルーンのプレビューとして、コンセプトモデルのETが公開されている。

こうしたモデル展開を支えているのが、その大規模なオペレーションであり、上海と北京にあるオフィスに加え、合肥氏には生産工場を、南京には開発拠点を備え、さらに、ふたつのバッテリー工場まで運営しているのだ。

だが、これらはあくまで中国国内の拠点に過ぎず、サンノゼにはテクニカルセンターが、ミュンヘンにはデザインスタジオが、そして、オックスフォードにはパフォーマンスディビジョンが置かれている。すべての拠点で働くスタッフを合わせれば、その数は1万人ほどになり、その多くが、拡大の一途を辿るモデルラインナップに向けた、新たな技術開発を行っている。

 

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