FCAとルノーの経営統合 アナリストはどう見るか

公開 : 2019.06.04 20:10

FCA 年間6060億円のコスト削減も

ルノーのメリットとしては、アルファ・ロメオマセラティを足がかりにしてプレミアム市場に参入できる点が挙げられる。さらに、ジープダッジを通じて米国市場への足場を築くこともできるだろう。FCA傘下のウェイモが持つ自動運転技術も利用できる。

「可能性としては上手く適合し、多くの相乗効果が生じるでしょう。しかし、このような巨大統合が失敗した歴史を振り返れば、懸念がわくのも当然です」と、アストン大学のデヴィッド・ベイリー教授は言う。

FCAは、この統合による財政的な利益の可能性について声明を発表。心配される「工場閉鎖については根拠がないだけでなく、投資を集中化して効率を上げ、共有できるグローバル戦略車用プラットフォームを開発できる」としている。

FCAによれば、年間に最大50億ユーロ(約6060億円)のコスト削減が可能になると予想され、その内訳は購買が40%、研究開発が30%、製造が20%であるという。とはいえ、初年度は「導入費用の累積」が最大40億ユーロ(約4850億円)に上る見込みで、コストが削減されるのは2年目からになるとのことだ。

しかし、AUTOCARと親交のある2人のアナリストは、それだけの節約が単に費用を削減するだけで可能になるとは、未だ納得できないという。

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