バットモービル BMW CSL 169台のキャブレター仕様 M社を象徴するクーペ

公開 : 2019.06.09 11:50  更新 : 2020.12.08 10:40

アルピナやシュニッツアーによるツーリングカー参戦

このE9クーペ登場以前のBMWのモータースポーツでの活動といえば、更に小ぶりな2002と、フォーミュラ2への参戦に限られていた。そんな中、当時はまだ、いちチューニングメーカーだったアルピナ社が、ほとんどストック状態のE9でクルマのポテンシャルを示した。6気筒エンジンを搭載した2800CSクーペは、パワーステアリングを付けた状態で、1969年のスパ24時間レースを完走したのだ。

結果は9位と充分な健闘といえたが、完走するまでに消耗させたダンロップ製のタイヤは延べ40本にも達した。軽量なV6エンジンを搭載したフォード・カプリなどと比較して、BMWの車重がタイヤを摩耗させたことが原因だろう。

当時のBMWは、アルピナやシュニッツアーなどのチューニングメーカーが、CSクーペをベースにした車両でレースに参戦することを自由に任せていた。レースで好成績を納めれば、BMWにとってもその栄光をあやかることができるし、反面、成績が振るわなければ、BMWとしては正式に開発などに関わっていないと主張することができたからだ。

1970年に入り、BMW製のクーペの秘めた力が光り出す。アルピナによる2800CSが、国際レースで2度優勝し、欧州タイトルも視野に入る成績を収めたのだ。そして2800CSの改造されたアピアランスが、そのイメージを高めることになる。ドライサンプ化されたエンジンは284psを発生させ、大きく膨れたフェンダー、「バブル・ホイールアーチ」の中には、小径ながらディープリムの13インチホイールが納まっていた。

しかし、問題は依然としてその車重。フォード・カプリが304ps程度の馬力で970kgの車重に納まっていたのに対し、BMWのクーペは1270kgと重すぎた。ニュルブルクリンクのラップタイムで見ると、10〜15秒の差になってしまう。しかし、アルピナとシュニッツアーは、フォード一強の状態を崩すべく、より強いBMWを生み出すことに注力していく。

まもなく、その努力が実る時が来る。1971年の8月、オランダはザントフォールト・サーキットで、ダイエッター・クエスターがドライブする、シュニッツアー2800CSが、RE2600カプリを破り、見事トップでゴールを果たしたのだ。

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