バットモービル BMW CSL 169台のキャブレター仕様 M社を象徴するクーペ

公開 : 2019.06.09 11:50  更新 : 2020.12.08 10:40

7J幅のアルピナ製ホイールにオーバーフェンダー

もちろん、パワーステアリングとパワーウインドウは備わらない。アクリル製の三角形のリアサイドガラスは、ヒンジ分の重量を省くために、はめ殺しタイプになっていた。天井の内張りは余計な反射を抑えるために黒色が採用され、大柄でリクライニング機構付きだったフロントシートは、スキール社製の軽量なバケットシートに交換された。シート中央部の表皮はコーデュロイになり、大きく張り出したサイドサポートは黒の人工皮革製。リアシートも同様に張り替えられてある。

E9が発表された当時から、直径が大きくリムが細いステアリングホイールの評判は良くなかったが、小径でグリップの太い、3スポークタイプのものに付け替えられてある。ドア内側のコーテジーライトは、ラリー用のマップリーディング・ライトに交換。トランク内の内張りやリアウインドウの熱線、トランクリッド裏に取り付けられていたBMW製の純正工具も省かれていた。

徹底的にサーキット走行に余分な装備を省かれていたCSLだが、追加されていたものは7J幅のアルピナ製のアルミホイールに、クロームメッキされたオーバーフェンダー・モール。幅の広いタイヤをフェンダー内に留めている。ちなみに標準のCSやCSiのホイール幅は6Jだった。縦長のキドニーグリルの横には、マットブラックに塗られたフェイクのエアベント。ショルダーラインには、3.0CSLと型抜きされたストライプ・ステッカーがあしらわれている。生産初期のCSLのボディーカラーとして、コロラド(オレンジ)、ゴルフ(イエロー)、インカ(ゴールド)、ヴェローナ(レッド)の特別色も設定された。

ビルシュタイン製のショックアブソーバーとプログレッシブ・レートが採用されたスプリングのおかげで、クルマの乗り心地はややソフトな印象。装備が削られても、乗り心地の良さまでは削られなかった。タイヤのキャンバー角も見直され、ステアリングのギアレシをも低められている。25%ロック設定のリミテッドスリップデフも搭載されているが、実は2800CSクーペでは標準装備だったもの。なぜか後継モデルとなった標準の3.0CSには、採用されていないのだった。

エンジンは、3.0CSと同じM30と呼ばれる2985ccの直列6気筒。ソレックス35/40ツインチョーク・キャブレターを2基搭載し、最高出力は182psとなっていた。トランスミッションは平凡なゲトラグ製の4速マニュアル。最高速度は212km/hと、標準のCSより数値の面では劣っていたが、0-100km/h加速は7.2秒がうたわれていた。減速比3.45:1のディファレンシャルのおかげで、3速で160km/hを出すこともできた。

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