メルセデス・ベンツAクラス A200dの最先端ディーゼル・エンジンを解説

公開 : 2019.06.12 06:10

盤石な排気浄化デバイス

基本的な燃焼効率を高めることに加え、エグゾースト・ラインには川上側から酸化触媒、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)にはSCR(選択触媒還元)コーティングが施されPMだけではなくNOxも処理し、低圧と高圧2つのEGRによりNOxを低減させる。排気系下流のちょうどフロア下には、さらにSCRとアンモニアの排出を防止するASC(アンモニア・スリップ触媒)が備わる。

これは、エンジンに急激な高負荷が掛かるような状況ではNOxを減らすために尿素が投入されるのだが、そのままではアンモニアが排出されてしまうため、ASCが組み込まれるという盤石な構成とされているのである。

こうしてクリーンな排気を実現したA200dに加え、先日発表された新型Bクラスにもディーゼル・モデルのB200dが加わり、コンパクト・クラスのディーゼル・モデルがより身近な存在となってきた。ディーゼルの経済性に目が行ってしまいがちだが、試乗してみるとスタンディング・スタートの鋭さに感銘を受けよう。トルクの厚いディーゼルであることに加え、フリクションを減らしてピックアップの良さを実現していることもあり、EV的な感触ともいえる。

ディーゼルは燃費は良いのだが遅い、というイメージをお持ちの方には一度試乗してみることをお勧めしたい。それまでの概念が大きく変わるはずだ。

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