ロードテスト ランボルギーニ・アヴェンタドール ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2019.06.30 09:50  更新 : 2019.07.08 22:39

ニュル最速の看板を引っさげ登場した、オールドスクールなランボの最新モデル。伝説的な車名を与えられたそれは、アヴェンタドール史上最高の出来栄えでしたが、満点には届かない結果となりました。

もくじ

はじめに

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

内装 ★★★★★★☆☆☆☆

走り ★★★★★★★★★☆

使い勝手 ★★★★★☆☆☆☆☆

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

快適性/静粛性 ★★★★★★☆☆☆☆

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

スペック

結論 ★★★★★★★★☆☆

はじめに

ロードテストには、ニュルブルクリンクの現役レコードホルダーが毎週出てくることはない。この1年間においてそうした機会は、このアヴェンタドールSVJが2度目である。そういえば、1度目もランボルギーニだった。

この事実だけでも、サンタアガタの自動車メーカーがどれほどの進化を遂げたかがわかる。かつての不愉快なほどうるさく、外観はけばけばしいスーパーカーの供給元から、ついにはその吼え声を正当化するほどの刺激的な運動性能を備えるクルマを送り出すメーカーへと転身するまでに至ったのである。ノルドシュライフェでウラカン・ペルフォルマンテが叩き出した6分52秒01が、突如としてポルシェの領域を侵犯するものであるならば、それに続いてアヴェンタドールSVJがマークした6分44秒97は、ランボルギーニがその座をやすやすとは明け渡さないという意思表示だと言える。サーキット由来の技術を満載した911GT2RSでさえ、昨年7月の時点でこれに匹敵するタイムを出すことはできなかったのだ。

もちろん、ロードカーである以上、アヴェンタドールSVJは恐ろしいよりスリリングで、広大でひと気のない完璧な路面のA級道路でなくても走れなくてはならず、磨き抜かれた新たなエアロダイナミクスの制御下で飛ばせるものである必要がある。そうでなければ、現在の市場で唯一となるV12ミドシップ・スーパーカーという、ひとも羨むステータスもたいした用をなさなくなり、となればわれわれは、フェラーリ488ピスタやマクラーレン720S、さもなければウラカン・ペルフォルマンテを選ぶべきだとお伝えすることになる。

そうはいっても、サンタアガタがスーパーヴェローチェとイオタのダブルネームを奢ったフラッグシップをたった900台ばかり売り捌くのに困ることはないだろう。由来となったイオタは、ランボルギーニ史に名を残す伝説的なテストドライバー、ボブ・ウォレスが就業時間外に始めたプロジェクトが発端で、ミウラをベースとした前代未聞のハードコアマシンであることはご存知だろう。1台きりのプロトタイプであり、のちに事故で焼失したことでその神秘性が高まったこともいうまでもない。

それ以来、この名前が使われたことはほんの数度しかない。そして今回のそれに、ランボルギーニがためらった形跡は見受けられない。あまりにも堂々としすぎなのではないだろうか。その辺を検証していこう。

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