試乗 フォルクスワーゲン・パサートGTEエステート EVでの走行距離30%延長

公開 : 2019.07.17 10:10

ナビと連動する知的なプラグイン・ハイブリッド

トランスミッションは6速のツインクラッチ・オートマティックで、マニュアルモードを選べば、ドライバーが積極的にパワートレインを操っている感覚も得られる。反面、ハンドリングのダイナミクスに限っては、ペースを早めたとしても、奥深さや夢中にさせてくれるような内容は備えていない。

フォルクスワーゲンによる最新の設計のおかげで、大型化されたバッテリーは、軽量化された燃料タンクと一緒にホイールベースの間の低い位置に搭載された。だがGTEは前輪駆動でボディの割に車重もかさむから、ドライバーが喜ぶような説得力の高いハンドリングを獲得することは難しいのだろう。

プラグイン・ハイブリッドのパワートレインは、穏やかなドライビングモードを選択することで、燃費を最大に伸ばすように機能する。ナビゲーションシステムで目的地を設定した場合、ナビの地形データを利用し、バッテリーの残量を測り、モーターとエンジンとのベストミックスを自動的に判断してくれる。電気とガソリンの消費量を可能な限り高効率に活かし、目的地へと到着することが可能となる。

知的なハイブリッドシステムだが、状況によってはバッテリー回生機能の動作が、不意に行われる点は気になってしまった。アクセルを離すと、エネルギーの回生が行われず惰性でスルスルと走行できる場面がある一方で、別の機会ではアクセルオフと同時に減速が始まり、バッテリーへ充電されることもある。この動作の判断のされ方が、ドライバーには正直わかりにくい。

またドライブモードを切り替えると、ブレーキペダルを踏み込んだ時の感覚が変化してしまうのも、改善を求めたい部分。ドライバビリティにも影響は少なくなく、フォルクスワーゲンらしくない設定だと思う。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

フォルクスワーゲン パサートの人気画像