エネルギーの小さな塊 試乗 アバルト595エッセエッセ アバルト誕生70周年

2019.07.18

コンパクトカーの真骨頂と呼べるコーナリング

走り始めて一番最初に感じるのは、その硬さ。より性格に表現するなら、かなりの硬さだ。今回の試乗コースはイタリア・トリノ近辺のあばたの多い道だったが、595の車内へは、その路面の荒れ状態が極めて正確に伝わってくる。まるでハイビジョン画像のように、細かい部分までわかってしまう。路面が剥がれ、大きく穴の空いた部分を通過すると、ストロークの短いサスペンションではカバーしきれず、ドライバーはシートからお尻が浮き上がってしまうほど。

ただし、かなり締め上げられたコニ製のダンパーは、角のある衝撃自体は丸めてくれている。収まらない振動に悩まされるとはいえ、吐き気をもよおす程の鋭い突き上げまでは生じないからご安心を。

スピードを上げていくと、サスペンションの質感はぐっと向上する。ダンパーは、極めて大きなバンプなど以外は、すべての強い入力をいなすようになる。コーナーへ飛び込んでも、複数のライン取りが選べる懐の深さもあり、カーブの連続する道を縫うように走る姿は、コンパクトカーの真骨頂といえるだろう。

グリップ力も充分に高く、最終的には流れてしまうが、それまでは果敢に路面へ食らいつく。ただし、このグリップの抜けはステアリングフィールとしてではなく、シートに収まる腰や視線から感じ取れるもの。動きも直線的でゆっくりしたものだが、操作系へ伝わる感覚には乏しい。

ちなみにドライブモードが標準の場合、電動パワーステアリングのアシストは強く、ステアリングは指先で回せるほどだが、スポーツモードを選べば重さも増す。操舵感の粘りも強く感じられるようにはなる。

 
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