EV版 次期型フィアット500テスト車 ホンダe/ミニに照準 アバルト版も検討

公開 : 2019.07.23 11:40

500e競合、ミニ・エレクトリック/ホンダe

次期型500の新しいプラットフォームは、マイルドハイブリッド・システムにも対応できる。このシステムには12Vのベルト駆動スターター・ジェネレーターが使われるが、現時点では500に搭載される電動ドライブトレインの詳細は不明だ。現行ユニットよりも排出ガスを減らしたガソリン・エンジンも、500とパンダに導入される。

これらの電気自動車の開発は、「将来に向けて利益を上げられる電気自動車を作る必要があるためと、CO2の目標値を達成することができず罰金を支払う可能性のプレッシャーを確実になくすための両方によるもの」であるとフランソワは認めた。

都市向けのクルマとしてアピールする500eは、車内にバッテリーを搭載するスペースが限られるため、航続距離400kmをうたう日産リーフのようなEVよりも、1度の充電で走れる距離は短くなるだろう。

500eのライバルとなるのは、最近増えつつある小型EVだ。ミニは2019年11月に初の量産EVとなるミニ・エレクトリックの生産を開始する予定であり、ホンダも同時期にホンダeの生産を始める。

ディーゼル廃止に向けて電動化を推進

500eはFCAが開発している4種類の電動パワートレインの1つだ。この「シティカー」パワートレインの上には、「メインストリーム」パワートレインがあり、こちらはまず、ジープ・グランド・コマンダーに採用される。さらに高性能モデル向けの「パフォーマンス」は2020年に登場するマセラティ・アルフィエリに使われ、「プレミアム」EVパワートレインは2022年に次期型マセラティ・クワトロポルテに採用される。

FCAが電動化を推進しているのは、2022年までにディーゼルを廃止するという目標のためでもある。今から3年後には、FCAに属する各ブランドのカタログからディーゼルのオプションが消え、代わりに多くのマイルドハイブリッドやプラグインハイブリッドが用意されるはずだ。同社のプラグインハイブリッドはまず、ジープ・グランド・チェロキーに搭載され、2020年に発売となる予定だ。

プントやティーポなど、いくつかのフィアット車が廃止されることで余裕が生まれる生産能力は、アルファ・ロメオやマセラティの増産に向けられる。これら高価格モデルによる収益が、電動化に必要なコストを支えることになるわけだ。イタリアにあるいくつかの工場ではプラグインハイブリッドの生産も行う。そこで作られるモデルには、グローバルに販売されるジープの車種もいくつか含まれる。

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