フォルクスワーゲンのディーゼル不正に集団訴訟 最大の争点は「補償額」 英

公開 : 2019.07.30 18:10

損害額はどのくらいになるか?

水面下でフォルクスワーゲンは、クルマの残存価値に与える影響を調査しているとみられている。原告が主張する最大の損害が、所有するクルマの残存価値の減少であることは明らかだ。

もちろん、スレーター&ゴードンには、集団訴訟に多くのオーナーたちを集めるだけの補償を引き出すことに勝算を持っている。残存価値の減少、契約違反、融資契約に関する不公正な取引規制を合わせると、損害に対する補償額は1台あたり2000ポンド(約27万円)と見積もられているのだ。もっとも、このうち少なくとも30%は訴訟費用となる。

しかし、それとは異なる試算もあるようだ。AUTOCARに伝えられた情報によると、1台あたり「数百ポンド」から、最大でも1000ポンド(約13万5000円)ほどだという。合計で9700万ポンド(約131億円)となり、スレーター&ゴードンの「数億ポンド」という試算とはかなりの開きがある。

これは重要なことだ。なぜなら、スレーター&ゴードンは訴訟ファンドのセリアム・キャピタルから資金支援を受けており、投資に見合う補償を期待しているからだ。

もし、損害が予想より小さいということになれば、オーナー側は示談に持ち込む方が得策だろう。なぜなら、9700万ポンドでは訴訟費用にしかならないからだ。

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