ヒルクライムの相棒 1971年式TVR 2500 保険金で兄から買った 前編

公開 : 2019.08.10 07:50  更新 : 2021.02.17 17:44

硬い棒を突き刺して抜いたピストン

ピストンを取り外すのも初めてのチャレンジだった。「エンジンは固着していて、ピストンを抜く方法は硬い棒で突き押す以外ありませんでした。そして、もちろん壊れました。インターネットで部品は購入てきたのですが、安くはありません。とても助かりましたが。そしてエンジンブロックは機械加工の専門家へ引き取ってもらいました」

エンジンブロックを預けている間、ハンクはコーンウォールへ何度か戻り、ブレーキやサスペンションなど、TVRの部品をロンドンへと持って帰った。「友人のピート・ジョーダンにはとても助けてもらいました。まるでメカニックのようにアドバイスを仰ぎました。何かを質問すると、いつも彼からは答えが返ってきたんです」

コーンウォールのガレージでは、シャシーからボディーが外され天井から吊り下げられた。「シャシーのメインチューブは大丈夫でしたが、アウトリガーは腐っていました。TVRの専門店、デイビッド・ジェラルドTVRは、1500ポンド(20万円)で修理も受けてくれますが、1800ポンド(25万円)で新品も販売しています。シャシーを送る必要はありますが、とても良心的な価格設定ですよね。オリジナルのシャシーはろう付けなのですが、この新しいシャシーはミグ溶接されていて、防錆保護もされています」

「シャシーが破損した時の修復が難しくなるので、粉体塗装は選びませんでした。自分で塗装しました。塗料は2液性で、塗布する前に混ぜ合わせると、15分ほどで硬化します。真冬の週末に、アンダーコートを片面塗装して、裏返して反対側も塗装して、仕上げ塗料を2度吹きしました。バッテリー式のガレージの照明も全体を照らすために増設しました。シャシーの塗装には知人のジェームズ・ミッチェルとロス・シャープにも手伝ってもらいました。ロスはエンジニアリング会社で働いていて、パーツを安価に粉体塗装してもらえました」 と話すハンク。

どんなクルマに仕上がったのかは、後編にて。

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