ヒルクライムの相棒 1971年式TVR 2500 保険金で兄から買った 後編

公開 : 2019.08.11 07:50  更新 : 2021.02.17 17:44

ヒルクライムのスタート地点で出火

「ヴィンテージ・スポーツカークラブ(VSCC)のポメロイ・トロフィに参戦する前に、一度クラシック&レース社へクルマを戻して、サスペンションの再設定とファインチューニングをお願いしています。イベントの規定でロールバーの装備が義務付けられていて、おかげでスーツケースやスペアパーツはクルマに詰めません。TVR 2500の車重は重く、920kgもあります。なのにエンジンは125ps程度。タイヤもオリジナルサイズなので、勝負にはなりませんでした。それでも、グランプリコースで40分の高速トライアルに参加して、マツダMX-5の何台かとレースを楽しみました」

デビュー戦を楽しんだハンクは、その他のTVRやクラシックモデルと一緒に、ヒルクライムやスプリントレースに参戦している。リンデン・ヒルではクラス優勝も果たした。「話も楽しい、とてもフレンドリーなグループです。時々キャンプをして食事も一緒に楽しみます。英国中西部のシェルズリー・ウォルシュでのイベントは、アンラッキーでした。1番シリンダーが死んで、レース仲間のスティーブ・デニスから脚用のクルマを借り、コベントリーまでガスケットの補修部品を買いに行きました。彼は出走直前まで、修理を手伝ってくれました」

シェルズリーでのレースでは、スタートラインに着いた時点で、スポンジ状のエアフィルターから出火したそうだ。「急いでクルマから降りて、消化器を噴射しました。エンジンルームは一気に古びてしまいました。その時もレース仲間が地元のガレージまでレッカーしてくれて、そこからは電車で14時間かけてロンドンまで戻りましたよ。シェルズリーは良い場所ですが、コースはそれほど面白くありません。スプリントレースには中毒性があります。ガールストン・ダウン・サーキットがスリリングで最高ですね」

2回目の参加となった2018年のポメロイ・トロフィで、TVR 2500はさらにモディファイを受けている。新しいホイールとタイヤを履き、サスペンションもずっと硬いセットアップになった。「クルマは生まれ変わりました。ジャガーEタイプポルシェ944ターボなどとも良いバトルができるほどです」

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

TVRの人気画像