マツダMX-5(ロードスター)30thアニバーサリー 試乗 素の良さを引き出す方法

公開 : 2019.08.08 10:10

オールドスクールだからこそ夢中になれる

力強さを増したエンジンを、ダイレクトに反応するシャシーが引き立てる。先行車両がいなくなる度に、右足に力を込める楽しさを与えてくれ、ビビッドにクルマは反応する。スポーツスプリングとダンパー、レイズ製の軽量なホイールが、小柄で軽量なスポーツカーとして優れた乗り心地とハンドリングを両立。英国の田舎道でも存分に楽しめる。

インテリアや脚まわりの装備が改められたとしても、MX-5はライバルと比較して、最も機敏なわけでもないし、サスペンションが最も硬いわけでもない。それゆえにサスペンションのトラベル量はふんだんで、大きな入力に対しても滑らかに対処してくれる。グリップ力も限界まで路面をがっちり掴み続けるというわけではなく、漸進的に力が抜けていく感じ。穏やかなボディーロールを利用して、外側のタイヤへ荷重をかけていくハンドリング特性は、クルマとの対話を楽しませてくれる。

2019年の2シーター・スポーツの基準で見れば、ドライバーは運転に集中する必要もあるし、ややスキルが求められることは確かだ。マツダMX-5のドライビングは、どちらかといえばオールドスクール。だが、運転に夢中にさせてくれるという魅力では突出している。

ブレンボ製のキャリパーの実力は郊外の開けた道で、それなりのペースで走らせなければわからないが、明確に制動力は強化されている。クルマのグリップレベルとのバランスも良く、一般道レベルのスピードで操るには、相性も良い。ペダルのレイアウトが、もう少しヒール&トウを使った変速向きならなお良いだろう。素晴らしくアナログなスポーツカーを楽しむための、儀式のひとつのようなものだと思う。

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