ロードテスト メルセデス・ベンツCLA ★★★★★★☆☆☆☆

公開 : 2019.08.31 11:50

内装 ★★★★★★★☆☆☆

CLAのキャビンは、最近のコンパクトなメルセデスに見られるマテリアルや技術面の華やかさを軒並み備え、ネオン輝く豪華な雰囲気に身を置いたときのような、強い第一印象を受ける。

シートは前後とも、スポーティな見栄えのヘッドレスト一体型。テスター陣はほとんどが基本的に分割式の調整可能なヘッドレストの方がいいと考えているが、ゆとりある快適なポジションやサポート性にはなんの不満もなかった。

華やかさと優れたエルゴノミクスを備えるが、スペース的には妥協がみられる。
華やかさと優れたエルゴノミクスを備えるが、スペース的には妥協がみられる。    Luc Lacey

ドライビングポジションは、エルゴノミクス的にも良好。大型サルーンの基準とはやや異なり、コラムにマウントされたシフトセレクターやダッシュボードに配置された電動ハンドブレーキスイッチを用いるが、操作系のレイアウトはすぐ直感的に操作できるようになる。

ルーフラインは弧を描くが、パノラミックサンルーフを備えていてさえ、前席には190cmのドライバーでも余裕のヘッドルームが確保される。しかし、室内の窮屈さや、やや高い着座位置で足を曲げ気味に座らされるドライビングポジションゆえに、典型的なプレミアムセダンのようにはゆったり体を伸ばして座れる感じはない。おそらくそこには、ほかの部分以上に、ハッチバック由来である出自がみてとれる。

実用性が高まっている部分もあるが、がっかりさせられる部分も見られる。後席は、ふたりが肩寄せ合って座るのがやっとのスペース。それも、体格のいい大人では厳しい。このクラスの水準からすると、膝下も頭上も狭く、身長が180cmあるとつらい。また、背の高い乗員なら、ドアを閉める際に大ぶりなドアハンドルと前席シートバックとの間に、外側の膝がすぐに引っかかって苦痛に感じる。

対して、後席の狭さと引き換えに得られるのが、大きな荷室容量だ。460Lというのは、ずっとボディサイズの大きいレクサスESさえも上回る。

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