ポルシェ初のEV タイカン発表 テスラ・モデルSなどに対抗

公開 : 2019.09.05 01:10  更新 : 2021.02.10 17:27

ポルシェは同社初のEV、タイカン・ターボおよびターボSを発表しました。ターボSでは最大750psを発生、0-100km/hは2.8秒です。テスラ・モデルSには劣るものの、この加速を繰り返し実行することが可能とのことです。大人4人または5人が快適に移動できる実用性も兼ね備えます。

主要ライバルを上回るパフォーマンス

ポルシェタイカンはEVのパフォーマンスにおける新たなベンチマークとして来年1月に英国で発売される。フランクフルト・モーターショーでの発表に先駆け、その技術仕様の詳細が公表された。0-100km/hの加速タイム以外では、主要ライバルを上回るパフォーマンスを実現するようだ。

ポルシェによれば、タイカンのパフォーマンスの鍵となるのは、安価だが大きく重く安定性にも劣る非同期モーターではなく永久磁石同期型モーターだという。パッケージングや温度管理、それに効率性において、そのコストを正当化できる性能とのことだ。

ポルシェ・タイカン
ポルシェ・タイカン

90kWhのバッテリーにより、その車重は2.2トンに達するものの、現在販売されているポルシェ車の中で最も低重心であり、918スパイダーに匹敵するものだという。そしてその前後重量配分は理想に近い49:51だ。

電子制御プログラムにより、タイカンのレスポンスやハンドリングは最大限に高められており、プロジェクト内部筋によれば「クラスをリードするだけでなく、大きく引き離す」レベルだという。

スロットルのレスポンスは通常の内燃機関を搭載するクルマに比べ5倍、トラクションコントロールは10倍、そして前後のトルクベクタリングは5倍素早く反応するとのことだ。そして電動LSDは機械式のそれと比べ、ホイールの空転に対し50倍も素早く対応するという。ポルシェ・スタビリティ・マネジメントをスポーツにすることで介入度合いを減らすこともでき、また完全にオフにすることも可能だ。

0-100km/h 2.8秒 ニュルは997GT3同等

既存のライバルに対するアドバンテージはその動力性能だけではなく、独自のサスペンションにも存在するという。パナメーラのものをベースとする3本のチャンバーを備えるエアサスペンションを採用している。高速域では22mm車高が下がるほか、障害物があれば20mmリフトすることもできる。

ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロール(PDCC)もオプションで用意され、パナメーラ譲りのアクチュエータにより限界域でもボディのロールをほぼ0にし、アンダーステアやオーバーステアにもミリ秒単位で対応できる。後輪操舵も用意され、高速域でのスタビリティや低速域での取り回しに貢献する。

ポルシェ・タイカン
ポルシェ・タイカン

ポルシェによれば、タイカン・ターボでは2基のモーターにより625ps、86.7kg-mを発生、その0-100km/h加速は3.2秒となる。一方ターボSではオーバーブースト時には760ps、107kg-mとなり、加速タイムは2.8秒にまで短縮されるという。

リアアクスルには2速のギアボックスが搭載され、最大加速時にはショートレシオが選択される。またドライブモードにより、4WD、前輪駆動または後輪駆動の間で切り替えることが可能だ。そしてニュルブルクリンクでは4ドアEVとして最速である7分42秒を記録しており、これは997型911 GT3と同じタイムだ。

比較として、テスラモデルSパフォーマンスはルディクラスモードでは0-100km/h加速を2.4秒でこなす。しかしポルシェによればタイカンはこの加速を繰り返し行うことができるという。そして聞くところによれば、テストドライバーはこの加速テストを26回行った時点でGにより気分が悪くなり、中断せざるを得なかったとのことだ。一方でテスラのルディクラスモードは温度やバッテリーの状態に制限があるほか、繰り返し行うことはできない。

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