【中古車選びの秘訣】完ぺきなメンテナンス履歴とは? 記録だけでは不十分 重要なのは作業内容

公開 : 2019.12.27 10:20  更新 : 2019.12.27 17:48

ユーズドモデルを購入する際、メンテナンス記録を重視する方も多いかと思いますが、単に記録が残っているからと言って安心する訳にはいきません。重要なのは実際の作業内容であり、さらには作業を証明するスタンプなのです。用心するに越したことはないようです。

メンテナンス履歴の価値

完ぺきなメンテナンス履歴というものの価値がどれほど軽視されているかを確認すべく、新車保証の切れたユーズドモデルを探しに中古車販売店とディーラーを訪ねてみることにした。出来ればほとんどメンテナンス履歴の残っていない車両を見つけて、販売店のスタッフがどういった対応をするのか見てみたいと思っていたのだ。

訪れた中古車販売店では、すぐに探していた車両を見つけ出すことができた。走行距離21万7000kmで4395ポンド(63万円)のプライスタグを掲げた、2011年登録のアウディA3スポーツバック2.0 TDI Sラインだ。

完ぺきなメンテナンス履歴とは?
完ぺきなメンテナンス履歴とは?

担当のセールスマンはわずか4件のメンテナンス履歴が記されただけの記録を見せてくれたが、それによると、2012年に走行距離3万4000kmで最初のメンテナンスを受けたあとは、同じ年の年末に走行距離7万1000km、2013年に10万8000kmでそれぞれアウディのディーラーで受けた記録が残されているだけであり、その後は2019年初頭に走行距離21万kmの時点で独立系ガレージが行ったメンテナンス記録があるだけだった。

この事実にも平然としたままのセールスマンは、記録の残っていない6年間と走行距離10万2000kmの間も定期的にメンテナンスを受けていたというこの車両の前オーナーの言葉を教えてくれた。多分それで問題なかったんだろう…

請求書明細が重要

思わずメンテナンス履歴の意義とはなんだろうとは考えずにはいられなかった。確かにこのアウディにはメンテナンスが行われていたに違いないが、どう考えてもそれが完ぺきなものだとは思えない。どんな状態を完ぺきなメンテナンス履歴と言うのだろう?

毎年、若しくは1万8000kmごとに、メーカー推奨のインターバルでメンテナンスが行われていたのだろうか?

完ぺきなメンテナンス履歴とは?
完ぺきなメンテナンス履歴とは?

大規模なものから小規模なものまですべてのメンテナンスが行われ、その他に定期点検が行われていれば、完ぺきなメンテナンス履歴と言えるのだろうか?

もしそうだとすれば、実際の作業内容を確認するため、すべてのメンテナンスに関する請求書の明細を確認する必要があるということであり、驚くべきことにディーラーのなかには実際にそうしているところもある。

そして、これが完ぺきなメンテナンス履歴よりも、完ぺきな請求書の記録に彼らがより重きを置いている理由ともなっているのだ。

履歴だけでは不十分

最近、5万3000kmを走破した2016年登録のフォルクスワーゲン・シロッコTDIを、フォルクスワーゲンディーラーでのメンテナンスに出した友人がいる。大規模メンテナンスのタイミングだったが、彼は2020年2月にこのクルマを売却する予定であり、メンテナンス内容を絞ることにした結果、エアー、燃料と花粉フィルターの交換は行われず、ホイールを取外しての徹底的なブレーキチェックも省略されることとなった。

だが、そんなことはこのクルマを次に所有するオーナーには知る由もない。次のオーナーはメンテナンス履歴だけを見て、このシロッコは完ぺきなメンテナンスを受けていると考えるはずであり、本来であれば大規模メンテナンスが行われるべきところ、内容を絞った作業しか実施されていないなどということは分からないのだ。

フォルクスワーゲン・シロッコ
フォルクスワーゲン・シロッコ

Webuyanycar.comはメンテナンス履歴をより重視する中古車ディーラーのひとつであり、彼らは完ぺきなメンテナンスを、メーカー指定のスケジュールどおりに行われたものだと定義するとともに、クルマの購入者に対して、それが大規模メンテナンスであれば高額な費用が掛かることから、次に行うべき作業内容を確認するようアドバイスしている。

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