フロントラインMG LE50
公開 : 2012.01.25 14:18 更新 : 2017.05.29 18:09
■どんなクルマ?
MG LE50は、現代のドライバーのためにリワークされたMG-Bだ。そして、50,000ポンド(600万円)が、今年50周年を迎える記念すべき代表的な英国のスポーツカーのリメイク版を得るための費用となる。
フロントラインは、MG-Bを現代的に換えました。エンジンは2.0リッター4気筒のマツダMX-5のものを搭載。インダクションシステムの変更やコンピュータマッピングの改良により、212bhpのパワーと24.1kg-mのトルクを得る。モノコックボディの草分け的存在だったMG-Bのボディは、ブリティッシュ・モーター・ヘリテッジよりLE50のための新品が用意される。サスペンションはアジャスタブル・ダンパー付きのコイルスプイングで、リアは5リンク式となる。また、オプションとしてリミテッドスリップデフも装備される。
すべてスチール製にもかかわらず、軽量なエンジンのせいもあって、乾燥重量で941kgと1トンを切るボディウェイトを確保しているのだ。
■どんな感じ?
MG LE50はわれわれを混乱させる。確かにMG-Bのように見えるのだが、MG−Bのオーナーでさえそれがどんなクルマであるかは完全に知ることができないからだ。
コクピットに乗り込めば、旧き佳き時代のダッシュボードが、ドライバーを迎えてくれる。いくつかのスイッチは新しいタイプとなっているが、多くのトグルスイッチがあるのはいい感じだ。また、アルカンタラのお陰で、インテリアは堂々とした貫禄が備わっている。
走り出せば、MG LE50が、その起源がアンティークであることは明白だ。しかし、その加速は、MG-Bオーナーが夢でしか見たことのない0-100km/h 5.1秒という値をマークする。高回転の日本製エンジンは、オリジナルとは別物のパワーを与えてくれたのだ。また、3600rpmで最大トルクが発揮されるから、ドライビングもとてもイージーだ。
3速が低く4速が若干高い印象をうけるものの、総じて6速のギアボックスとの組み合わせも良い。シフトフィールも短く軽く決まるので良好だ。但し、そのシフトが正面に対して9度の角度をもってつけられているのがちょっと残念だ。
コーナーでのMG LE50は愉しいのひとこと。ベンチレーテッド・ディスクは、タッチもよく制動力に優れる。50:50の前後重量比は、コーナーの頂点につくのを容易にしてくれ、本気でコーナーを攻めるのであれば、すべてがレスポンスよくそれに応えてくれるのだ。アンダーステアが限界を教えてくれるし、そのアンダーステアもスロットルをオフにすればすぐに解消できる。もちろん、コーナーの途中でパワーを与えてパワースライドに持ち込むことも可能。その場合はオプションのリミテッドスリップデフが威力を発揮する。
残念なのは、テスト車両につけられていたオプションのパワーステアリングだ。路面の状況をフィードバックするにはあまりにも軽かったのだ。
■「買い」か?
「現代のMG-B」を探しているのあれば、他のクルマを探した方がいいだろう。フロントラインも、善かれ悪しかれ、オリジナルのアイデンティティを活かしつつ、落ち着いたハンドリングと、明確な最新の2シータースポーツの要素を取り入れたクルマがMG LE50だと言っていた。もし、快適で刺激的で、それでいて珍しいスポーツカーを探しているのであればMG LE50を選ぶ根拠があると言えよう。ただしその時はパワーステリングなしを選ぶことをお勧めする。
(アレックス・マイケルデス)
フロントラインMG LE50
価格 | 49,994ポンド(6,000,000円) |
最高速度 | 252km/h |
0-100km/h加速 | 5.1秒 |
燃費 | 17.0km/l |
Co2排出量 | NA |
乾燥重量 | 941kg |
エンジン | 4気筒2.0リッター |
最高出力 | 212bhp/7200rpm |
最大トルク | 24.1kg-m/3600rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |